怪蟲“毛壁虱”、湯澤ニテ出現ス!
2013-05-15
みなさま、こんにちは。
湯沢市ジオパーク推進協議会事務局のミレーです。
最近、“ダニ”がどうしたこうした……なんて話をよく聞きませんか?
以下、厚生労働省から発表された文書の抜粋です。
病原微生物検出情報(IASR)速報
国内で初めて診断された重症熱性血小板減少症候群患者
重症熱性血小板減少症候群(severe fever with thrombocytopenia syndrome,
SFTS)はブニヤウイルス科フレボウイルス属に分類される新規ウイルス、SFTS
ウイルス (SFTSV)、によるダニ媒介性感染症である。
重症熱性血小板減少症候群
中国で発見されたこの恐ろしい感染症の話を聞いて、ミレーは『雪の出羽路』のある記述を思い出したのでした。
“壁虱”は“ダニ”と読みます。
そうです。ダニです。
○逆巻村(今日の酒蒔) 支郷河原村
此辺りの河原に毛壁虱と云ふ蟲ありて、夏より初秋かけて往来ふ人を螫てなやませ死ぬ人もあり、
このあたりの河原には“ケダニ”という虫が住み、夏から初秋にかけて通行人を刺して病を生じ、死人も出た。
さりければ河の道行く人は身をよく包みて歩行なり。
そういうわけで、川の道を行く人は衣服で身を覆って歩くという。
これは……
はたして“毛壁虱”とは何者なのでしょうか。
蟲は蓬または鼠麹草に似て河原父子といふ草にばかりすむてふ、其蟲は月代の剃毛のことく
虫はヨモギまたはハハコグサに似た“河原父子”という草にだけ住むという。
その虫は月代(当時の男性の髪型)のそり落とした毛のように
いといと細く二三分にて、蟲のさまともおもはれぬものなり。
たいそう細く(小さく?)、二、三分(6~9ミリ)、虫の姿とも思えないものである。
此蟲越後國にもあり、(中略)名を島蟲と、また恙蟲といふ也、
この虫は越後の国(こんにちの新潟県)にも住み、名をシマムシ、またはツツガムシという。
“毛壁虱”の正体は“ツツガムシ”でした。
目に見えず、噛まれたことにすら気付かず、症状が悪化して死に至る……
菅江真澄が書いた症状は、“ツツガムシ病”として古来恐れられてきた謎の病でした。
なお、“毛壁虱”とは、秋田県の雄物川流域におけるツツガムシの呼び名だそうです。
秋田県は、今でもツツガムシに関する注意喚起を行っています。
奇しくも、いよいよ“毛壁虱”が活発に活動する時期がやってきました。
どうかみなさま、つつがなくお過ごしください。
本日のブログはミレーがお送りしました。
湯沢市ジオパーク推進協議会事務局のミレーです。
最近、“ダニ”がどうしたこうした……なんて話をよく聞きませんか?
以下、厚生労働省から発表された文書の抜粋です。
病原微生物検出情報(IASR)速報
国内で初めて診断された重症熱性血小板減少症候群患者
重症熱性血小板減少症候群(severe fever with thrombocytopenia syndrome,
SFTS)はブニヤウイルス科フレボウイルス属に分類される新規ウイルス、SFTS
ウイルス (SFTSV)、によるダニ媒介性感染症である。
重症熱性血小板減少症候群
中国で発見されたこの恐ろしい感染症の話を聞いて、ミレーは『雪の出羽路』のある記述を思い出したのでした。
“壁虱”は“ダニ”と読みます。
そうです。ダニです。
○逆巻村(今日の酒蒔) 支郷河原村
此辺りの河原に毛壁虱と云ふ蟲ありて、夏より初秋かけて往来ふ人を螫てなやませ死ぬ人もあり、
このあたりの河原には“ケダニ”という虫が住み、夏から初秋にかけて通行人を刺して病を生じ、死人も出た。
さりければ河の道行く人は身をよく包みて歩行なり。
そういうわけで、川の道を行く人は衣服で身を覆って歩くという。
これは……
はたして“毛壁虱”とは何者なのでしょうか。
蟲は蓬または鼠麹草に似て河原父子といふ草にばかりすむてふ、其蟲は月代の剃毛のことく
虫はヨモギまたはハハコグサに似た“河原父子”という草にだけ住むという。
その虫は月代(当時の男性の髪型)のそり落とした毛のように
いといと細く二三分にて、蟲のさまともおもはれぬものなり。
たいそう細く(小さく?)、二、三分(6~9ミリ)、虫の姿とも思えないものである。
此蟲越後國にもあり、(中略)名を島蟲と、また恙蟲といふ也、
この虫は越後の国(こんにちの新潟県)にも住み、名をシマムシ、またはツツガムシという。
“毛壁虱”の正体は“ツツガムシ”でした。
目に見えず、噛まれたことにすら気付かず、症状が悪化して死に至る……
菅江真澄が書いた症状は、“ツツガムシ病”として古来恐れられてきた謎の病でした。
なお、“毛壁虱”とは、秋田県の雄物川流域におけるツツガムシの呼び名だそうです。
秋田県は、今でもツツガムシに関する注意喚起を行っています。
奇しくも、いよいよ“毛壁虱”が活発に活動する時期がやってきました。
どうかみなさま、つつがなくお過ごしください。
本日のブログはミレーがお送りしました。