湯沢市ジオパーク推進協議会は、秋田県湯沢市の「世界ジオパーク」認定登録に向けて、日々奮戦中です。
ゆざわジオパークのいろいろな情報や事務局の日々の感想をつづるブログです。

菅江真澄と歩く③ 「遥かなる稲庭うどん」

2013-01-25

 みなさま、こんにちは。
 稲庭うどんが大好きな湯沢市ジオパーク推進協議会事務局のミレーです。

 なんだかんだで三回目を迎えた菅江真澄と歩くシリーズですが、今回はジオサイト⑪・稲川から、稲庭うどんを取り上げたいと思います。
 それではさっそく、「雪の出羽路」における菅江真澄の記述を見ていきましょう。


  ○中町驛 稲庭本郷
  名産御用乾饂飩としるしたる屋戸あり、御主を佐藤吉左衛門といふ。此家にてこの干饂飩索制始(ないそめ)しは
  (「名産・御用乾しうどん」と書かれた家があり、主人を佐藤吉左衛門という。この家でこの乾しうどんを
   作り始めたのは

  元分のはじめ、佐藤氏五代目の吉左衛門が由理郡本庄に至りこれを糾ひ治て稲庭に帰り、とし月を経るまま心に
  (元文(1736年~)のはじめで、佐藤氏五代目の吉左衛門が由里本庄でこれを習得して稲庭に帰り、
   長い年月をかけて

  切(まかせ)て索けるほどに、今はたぐふかたなう其名聞えたり。其頃本庄の師なりける干饂飩師も尋来て、
  (心を込めて作り続けた結果、今では他にかなうものが無いと知れ渡った。その頃、本庄で師であった
   乾しうどん職人が訪ねてきて、

  おのが弟子ながら之を傳へならへどはかばかしからざりしよし。
  (自分の弟子から習うことになったのだが、これがうまくいかなかった。
  (中略)
  諸国にも出羽仙北雄勝郡の稲庭饂飩と人知れり。
  (広く全国に、出羽仙北雄勝郡の稲庭うどんの名は知れ渡っている。


 稲庭うどんについて、日本三大うどんの名にふさわしい内容が書かれています。
 今日のように情報通信技術が発達していないなかでなお、広く名を馳せていた様子が読み取れます。
 さて、これだけだと単なる湯沢市の名産品紹介で終わってしまうのですが、ここからがジオの領域です。
 菅江真澄は以下のようにも記しています。


  もとも小麥は三梨村の土毛にて、此小麥もまた世にまれなる麥といへり、
  (もともと小麦は三梨村の土毛であって、この小麦もまた、世にまれな素晴らしい麦と言える。
  さりければ麥により水により家によりて名品とはなりぬ
  (すなわち、麦によって、水によって、家によって、名品となったのである。


 また別の文脈では、


  此三梨は大麥のよき処にて、稲庭の名産乾饂飩は此の三梨の麥ならでは
  (ここ三梨はよい大麦の産地であり、稲庭の名産品の乾しうどんはここ三梨の麦があってのものである。


 ……とあります。
 wikipediaによると、「土毛(どもう)」とは人間の毛髪のように、その土地に自然に生えるもののことだそうです。文字通り真にナチュラルな農産物を指すようです。
 “地場産品”的なものの価値が叫ばれて久しいですが、菅江真澄はその本質的なものを見抜いていたように思います。
 「麥(麦)により水により家によりて名品とはなりぬ」における「麥」とは土毛、すなわち大地に根差した自然、「水」とはその基盤にある豊かな地質的環境、「家」とはその上に成り立つ人の営みと言えるでしょう。そして、それら三つの究極の成果物として、「名品」、すなわち稲庭うどんは誕生しました。菅江真澄がはたしてジオ的な思考を持っていたかどうかまでは定かではありませんが、その記述がジオ的な示唆に富んでいることは間違いありません。
 
 ゆざわの大地が生んだ稲庭うどん。これからもおいしくいただきます。

 では最後に、菅江真澄が本文中で紹介している一句を紹介して終わりとします。


  どなたでも いなにはあらぬ 此饂飩
  (このうどんは誰が食べても、“否(いな)には”あらぬ。


 うーーーーん、うまい!

 本日のブログはミレーがお送りしました。

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