湯沢市ジオパーク推進協議会は、秋田県湯沢市の「世界ジオパーク」認定登録に向けて、日々奮戦中です。
ゆざわジオパークのいろいろな情報や事務局の日々の感想をつづるブログです。

菅江真澄と歩く④ 「三関・須川の石と河」

2013-01-30

 みなさま、こんにちは。
 湯沢市三関・関口出身の、湯沢市ジオパーク推進協議会事務局のミレーです。

 菅江真澄と歩くシリーズの第4回目は、わたくしミレーの生地・関口もありますジオサイト⑮・三関・須川を取り上げます。
 「雪の出羽路」に先立ち、「小野のふるさと」でも三関・須川を通っているので、まずはそこを見てみましょう。
 今回から可能な限りの現代語訳を付していますが、誤読誤訳が多々あると思われますので、どうか参考程度にご覧ください。


  小野小町のふるあととふらはんとて湯澤をたちて、せき口村、上せき村になりぬ。
  (小野小町のふるさとへ向かおうと湯沢を出発して、せき口村、上せき村に着いた。
  山かけをほとときすの百千反なけば、
  (山かげでほとどきすがたくさん鳴いているので、

  里の名の 關守もかな ほとときす 過行かたを さしてととめよ
  (里の名のように、ほとどぎすが“関”守をしているかのようだ。その鳴き声で旅人の足を止めるがよい。


 あれ、三関はこれだけですか? なんとなくいい感じの雰囲気に歌まで詠んでもらっていますが、「関口」・「上関」・「下関」の三つの関で「三関」なのに、下関は触れられてもいないじゃないですか! 単に通り過ぎただけですか! ひどい!

 しかし、きっと、菅江真澄もこの光景を見たことでしょう。

20121108_20130129101514.jpg

 というわけで気を取り直して、須川はどうでしょうか。


  酢河といふ橋よりわたる。岳より落来る出湯の末になかれにや、水の味ひ酢して、
  (酢河という橋を渡る。山から流れてくるお湯のせいだろうか、水の味はすっぱく、
  もろもろの魚すむことなしと行人かたりぬ。
  (色々な魚は住んでいない、と通りがかりの人が言っていた。
  古記云、酢川岳跨奥羽両境、西北大岳而有温泉」清和帝貞観十五年六月己午、授温泉神十五位下、
  (古い書物によれば、酢河岳は奥羽の境界にまたがり、北西の大岳には温泉があった。
   清和天皇の治世、貞観十五年(873年)の六月に、温泉神の十五位を授かった。

  となん聞へたり。いとふるき、みたけそありける。はるかに其あたりをあふきて、ぬさ奉り来れは、
  (このように伝え聞いた。歴史ある、立派な山であった。遠くその山を巡って、捧げものをしてきたら、
  夏木立しけりあひたる中に、鶯の春のいろ音残したるはめつらしく、
  (夏の木々が生い茂るなか、珍しいことにうぐいすが鳴いて春の風情を感じさせ、

  夏草の しけきねになく 鶯は かへる酢川の 路やまとへる
  (夏の草が茂るなかで鳴くうぐいすは、帰る酢川の様子をたずねているようだ。


 三関と比べるとずいぶん充実した内容なんですがこれは……
 しかも何やらジオ的にいとおもしろげなる記述まであります。岳より落来る出湯の正体は、いずれ取り上げるであろうジオサイト⑥高松(三途川・川原毛)で明らかになるはずです。
 こうして菅江真澄は須川を通り、小野小町のふるさとである小野郷に至ります。

 さて、ここからは三関における大きなジオネタ、「関口石」について、後に書かれた「雪の出羽路」から見ていきましょう。そこには関口における石工の始まりについて、解説書とはだいぶ異なる内容が書かれているのですが、あえてここでは気にしないことにします。


  ○關口郷
  (前略)
  此關口山の石上に爪甲石といふものあり、大小あり、世に天狗の爪、龍の爪、鬼の爪などさまざまに名付けて
  (ここ関口山の石切り場には爪甲石という、大小様々の石がある。世の中には天狗の爪、龍の爪、鬼の爪
   など色々な名前を付けて

  処々の實物にあるもの、みな關口山の石上に産る爪石の事也、いとも奇品にして世にまれなり。
  (その場所の名産品にしたものがあるが、それらはみな関口山から掘り出した爪石のことであり、
   世にも珍しい一品である。


 爪石、爪甲石なる見慣れない単語が出現しました。
 世に名を馳せる珍品だったようですが、はてさて一体どんな石のことでしょうか。

 以下、ジオサイト案内書⑮三関・須川より、関口石についての解説です。

 関口石は(中略)細かい層理(ラミナ)が発達しています。ラミナに沿って剥がれたり、割れたりしやすい特徴があるため(後略)

 剥がれたり、割れたり……剥がれる……割れる……爪……爪…………!


  関口の 石の上にも 三千万年 (作:ミレー)
sekigutiisi.jpg
  へたくそな一句、失礼しました! ちなみに関口石は1500万年前頃に堆積した砂岩層からなります。


 ミレーが小学六年生だか、中学一年生だかの頃、授業の一環として「地元の名品について調べよう」ということで、関口寺沢の石材街道に取材に行った記憶があります。その時は大した興味もなく、上っ面をなでただけのようなことしか調べなかった気がします。実際、情けない話ですが、どのような形で調べた内容をまとめたのかさえ覚えていません。
 それから十数年、こうしてジオパークという視点から、地元の名品を多角的多層的に見る機会に恵まれて、縁と巡り会わせを感じています。


 本日のブログはミレーがお送りしました。
プロフィール

湯沢市ジオパーク推進協議会事務局

Author:湯沢市ジオパーク推進協議会事務局
世界ジオパーク認定登録を目指して日々活動している「湯沢市ジオパーク推進協議会」事務局です。

御訪問ありがとうございます
カレンダー
12 | 2013/01 | 02
- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31 - -
湯沢市のお天気時計
最新記事
月別アーカイブ
カテゴリ
リンク
検索フォーム
Yahoo!ニュース
RSSリンクの表示
QRコード
QR
都道府県別アクセス数
過去1週間の状況です

ジオターゲティング