湯沢市ジオパーク推進協議会は、秋田県湯沢市の「世界ジオパーク」認定登録に向けて、日々奮戦中です。
ゆざわジオパークのいろいろな情報や事務局の日々の感想をつづるブログです。

糸魚川ジオパークへ行ってきた! その2(糸魚川の「奴奈川姫」伝承)

2013-07-10

こんにちは。湯沢市ジオパーク推進協議会事務局のかわべぇです。
先日、赤い彗星さんが糸魚川への視察のようすをレポートしておりました。
わたしも、糸魚川に同行しておりましたので、そのときに見つけたものをお伝えいたします。

おおまかな日程などは、赤い彗星さんの記事をご覧ください。けっして、書くのがめんどうというわけではありません。

……本当ですよ?

そんなわけで、赤い彗星さんが紹介していない部分を紹介したいと思います。
まずは、次の写真をご覧ください。
ジオ標語

「ジオパーク、大地に根づく 交通安全」……うーん、見事なジオ標語です。この写真は、糸魚川市内を走っているときに、赤い彗星さんが発見し、自動車運転中だった赤い彗星さんに変わり、わたしが撮影したものです。

「おぉ、本当に町ぐるみのジオパークなんだなぁ」と感心しておりましたが、その後、いくつかのジオ標語を目撃いたしました(残念ながら、移動中に目にしたものであるため、写真は撮影する余裕がありませんでした)。

さて、わたしにとっては、非常に面白いモノがありました。
そう、糸魚川の文化です。本当はしばらく滞在してみれば、わかること、知ることも多かったのでしょうが……滞在期間が短かったもので、糸魚川の文化については少しだけしかわかりませんでした。

そのうちのひとつ、「奴奈川姫(ぬながわひめ)伝説」について、お伝えします。
この奴奈川姫伝説というのは、糸魚川地域でもっとも有名な伝説なのかもしれません。駅前に奴奈川姫の像があったり、奴奈川姫の説明があったりします。実はこの奴奈川姫、糸魚川ジオパークに大きく関係しているのです。

まず、こちらをどうぞ!
ぬーなさん!

糸魚川ジオパークのマスコットキャラクター「ぬーな」ちゃんです。いえ、先輩ジオパークなので、敬意をこめて「ぬーな」さんとお呼びしましょう。この「ぬーな」さん、何を隠そう奴奈川姫をモチーフにして作られたキャラクターなのです!

(ぬーなさんの画像は、糸魚川ジオパーク公式ウェブサイトの素材を利用しています。ぬーなさんの画像が欲しい人は、こちらをチェック!)

うちの「しず小町」ちゃんもかわいいですが、「ぬーな」さんもかわいいです。
ちなみに、うちのしずこまちゃんはこちら。
しず小町ちゃん


ゆるキャラさん達はさておき、奴奈川姫の伝説の話に戻りましょう。
奴奈川姫の伝説が、糸魚川市役所のウェブサイトに掲載されているので、まずはそれを見てみましょう。

Q:奴奈川姫とは?
A:「奴奈川姫(ぬなかわひめ)」は『古事記(こじき)』や『出雲風土記(いずもふどき)』などの古代文献に登場する高志国(現在の福井県から新潟県)の姫であると言われています。
 『古事記』では出雲国(今の島根県)の大国主命(おおくにぬしのみこと)が沼河比売(= ぬなかわひめ?)に求婚に来た、とあり、また、『出雲風土記』では天の下造らしし大神(大国主命)が奴奈宜波比売(=ぬなかわひめ?)の命と結婚して御穂須々美(みほすすみ)命を生み、この神が美保に鎮座していると記されています。
 あくまでも伝説ですが、それでも奴奈川姫を祭る神社が糸魚川・西頚城地方に多く、また、考古学的資料にも恵まれていること、さらには『万葉集(まんようしゅう)』の記述にある「沼名河の底なる玉…」との関係をみても、奴奈川姫は神秘的であり、姫にまつわる伝説がこの地方に多いのも興味深いものです。

糸魚川市ウェブサイト」より

古事記』というと、日本でもっとも古いとされている文献ですね。手元にないので確認できませんが、どうやらそこに登場するお姫さまだそうです。姫に求婚をするのは、オオクニヌシノミコト。国造りの神話が有名でしょうか? 少彦名命(スクナビコナノミコト)とともに国造りを行うことから、両神があわせて祭られている神社も多いです。また、オオクニヌシ(その異名のオホナムチ)が、日本に温泉というものを造り出したという伝説もあります。
そんなオオクニヌシに求婚されるとは……奴奈川姫は相当な人物に違いありません。

先ほど、ご紹介したウェブサイトには二種類の伝説が記されています。ひとつは『西頚城郡の伝説』という書籍からまとめたもの、もうひとつは『天津神社並奴奈川神社』とあります。こちらは書籍なのか、その神社の縁起書なのかわかりません。
さきに引用した部分に、「奴奈川姫を祭る神社が糸魚川・西頚城地方に多」いとあることから、おそらく二つの地域で異なる伝承が伝えられているため、その代表として『西頚城郡の伝説』と『天津神社並奴奈川神社』が紹介されているものだと思われます。

ここに紹介されているものを読むだけでも、わたしは非常に面白くて、いろいろ調べたり書いたりしてみたくなります。ですが、ここはその思いを抑え、三点だけ面白い部分を紹介いたします。

1.史跡・遺物の多さ

まず驚くのが、その史跡や遺物の多さです。生まれた場所、姫が遊んだ石、目洗いの滝、鏡など、かなり多くのものが伝承されているようです。
その真偽についてはともかく、それだけの事物が伝承され残っているということは、糸魚川地方において奴奈川姫がどれだけ大事にされてきた伝承なのかわかります。
この奴奈川姫をめぐる伝承は、時代を経て成長してきたものでしょう。詳しくは調べていないのでわかりませんが、おそらく奴奈川姫伝説が伝えられていくうちに、新たな伝承的事物が創られ、追加されているものだと思います。
少し話は変わりますが、ゆざわジオパークにも、ひとりの姫がおります。そう、小野小町です。絶世の美女・小野小町に関する伝承も、時を経るうちに、創られ、あるいは削られています。もしかしたら、現在でもそうなのかもしれません。わたしたち、ゆざわの小町伝承も遺物・史跡が多いです。
小野小町伝承で起こっていたことが、そのまま奴奈川姫伝承で起こっていたと言い切ることはできません。ですが、同じような経緯を辿っている可能性は十分にあると思います。

2.求婚譚
どこか遠い国からやってきた王子様が、お姫さまに求婚する。日本だけではなく、世界的に見られる物語の型のひとつだと思います。奴奈川姫の伝説でみてみますと、遠い国からやってくるのは王子様ではなく、オオクニヌシという神様です。
もう一度、ゆざわの小町伝承を持ち出して、比較してみましょう。ゆざわの小町伝承においては、「遠い国からやってきた王子様」という形式は、小町自身ではなく、小町の父母の結婚において見られる形です。雄勝に住んでいた大町子が、京都からやってきた小野良実に見初められるというストーリーですね。ここにも、「遠い国からやってきた王子様」という形が見られます(雄勝の小町伝承には、その異説として、小町は小野良実と鹿とのあいだにできた子どもであるという異説もあります)。
この「遠い国からやってきた王子様」というのは、日本の文化について思いを馳せ、いろいろ妄想するには都合の良いものなんですね。
ちょっと形を変えてみれば、いろいろなものに適応されている形であることがわかると思います。
遠い国からやってくるもの、たとえば神様ですね。
沖縄では、「ニライカナイ」と呼ばれる異世界から、年初めに神様がやってくると考えられています。
人から聞いた話ではありますが、沖縄のある島では、海からやってきた神様は浜から上がってきて村を通り過ぎて山に登り、そして再び村に下りてくるのだといいます。
男鹿半島のなまはげは、いったいどこからやってくるのでしょうか? まなはげも遠い世界、「ここではないどこか」からやってきている存在だと思います。

日本民俗学者・折口信夫では、これら遠くからやってくる強い力をもったモノを「まれびと」と呼びました。一方、日本の文化人類学においては、「異人」と呼んでおります。

たまたまやってきた村人を、祭りの主役にすえることがある。折口は、そのような趣旨の指摘もしています。

3.糸を織る女
もうひとつ、面白い記述がありました。紹介されていたふたつの奴奈川姫伝説のうち、『西頚城郡の伝説』を基にした方の記述です。

青海町黒姫山の東麓に「福来口(ふくがくち)」という大鍾乳洞がある。ここに大昔、奴奈川姫が住んでおり、機(はた)を織っては、洞穴から流れ出る川でその布をさらした。それでこの川を「布川(ぬのかわ)」という。

「糸魚川市ウェブサイト」より
「水辺で機織りをする乙女」、おそらく七夕の日の織姫伝承を思い浮かべる人が多いと思います。
この「水辺で機織りをする乙女」についても、折口信夫が詳しく述べています。が、勉強不足なので今日の記事もなかなか長くなってきたので、またの機会にしたいと思います。
小町伝承には、機織りは残念ながらなかった……と思います。あるとしたら、小町の母・大町子の伝承としてあるような気もします。

あいかわらずまとまらない記事ですが……糸魚川には、また行ってみたいです。笑
それにしても、奴奈川姫伝承と小野小町伝承を比べてみるのは面白いですねぇ。そんなところから、それぞれのジオパークを比較してみるのもいいかもしれません。
ほかに「姫」伝承のあるジオパークって、あるんでしょうか? 少し調べてみたいと思います。

ということで、本日の記事は事務局員・かわべぇがお伝えいたしました!
プロフィール

湯沢市ジオパーク推進協議会事務局

Author:湯沢市ジオパーク推進協議会事務局
世界ジオパーク認定登録を目指して日々活動している「湯沢市ジオパーク推進協議会」事務局です。

御訪問ありがとうございます
カレンダー
06 | 2013/07 | 08
- 1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31 - - -
湯沢市のお天気時計
最新記事
月別アーカイブ
カテゴリ
リンク
検索フォーム
Yahoo!ニュース
RSSリンクの表示
QRコード
QR
都道府県別アクセス数
過去1週間の状況です

ジオターゲティング