湯沢市ジオパーク推進協議会は、秋田県湯沢市の「世界ジオパーク」認定登録に向けて、日々奮戦中です。
ゆざわジオパークのいろいろな情報や事務局の日々の感想をつづるブログです。

温泉と伝説―ゆざわの伝説を中心に―

2013-08-27

こんにちは。湯沢市ジオパーク推進協議会事務局のかわべぇです。
24日(土)・25日(日)に、山形県米沢市で日本温泉文化研究会の研究集会がありました。
わたしも発表をしましたが、そのうちのひとつとして「温泉由来譚」を取り上げました。

温泉が発見されたときの様子を伝える伝説をご存じでしょうか?
ゆざわの温泉の例でいきますと……。

湯沢市秋ノ宮・鷹の湯温泉
「役内川上流の川中で、一羽の傷ついた鷹が何日も羽を休めたあと、勇ましくまた舞いあがったのでそのあとをたしかめると、川中より温泉が湧き出していたことを発見したので鷹の湯と呼んだ」(『羽後の伝説』)


湯沢市秋ノ宮・新五郎湯
内神である龍神の御告げによって、温泉を発見した。(新五郎湯所蔵文書)



この①動物が発見するタイプ②神仏が発見するタイプは、日本全国に分布しています。
わたしが知っているものは300事例ほどですが、きちんと調べればその数倍の事例が見つかると思います。
温泉の発見伝説には、③行基等の高僧・偉人が掘り当てるタイプもあります。彼らが持っている杖や錫で地面をついて温泉を湧出させた、という話なので、堀り「当てる」というのは正確でないかもしれません。ちなみに、③は温泉よりも湧き水に関する伝説でよく見かける型です。

ゆざわでは、

湯沢市高松
「昔々、弘法様が通りかかったら、村の人々が色々と親切にもてなしました。弘法様は大変嬉しく思い、水に困っている村人のために山の中腹を錫杖でつき清水を湧き出させて、村の人達を助けてくれたと言い伝えられている」(『高松の伝説』)



こんなものがあります。
口承文芸研究のなかでは、これらの伝説をまとめて「温泉発見伝説」とか「温泉発見譚」とか言っているのですが、この「発見」というのが曲者でして……。
温泉の伝説は、発見したり湧出したりするだけではないのです。

湯沢市松岡外堀
「外堀の尻に塞の神と云うところがあり、昔そこに沸し湯ではあったが温泉場があって一時さかえた。ずっと昔は相当温度の高い湯が出ていたと云う。その頃付近を耕していた百姓が、あつい湯のため稲が枯れてしまうので、何とかして温泉が湧かないようにしたいものだと思案した結果、アシ毛の馬を生埋めにしたそうだ。それ以来めっきり湯の温度も低くなり、出る量も少なくなったと云う」(柴田与市朗)(『山田の民話集』)



これは、温泉が枯渇し、冷却した事例です。
このような事例が、一つや二つ見つかるだけならば、温泉発見譚という名称でも良いと思うのですが、そんなことはありません。
わたしが把握しているだけでも、温泉の枯渇・冷却等の伝説は、100例ほどあります。

しかも、やっかいなことに「温泉がなくなった」という伝説が、温泉の発見にかかわってくる例もあるのです。
「ふたつの温泉の神様が争って負けた方には温泉が出なくなった」
「ある場所にあった温泉を、神様が草の葉に包んで放り上げた。もともとあった温泉は枯渇し、草の葉が落ちた先に温泉が出るようになった」
そんな話があるのです(手元に資料がなく引用できないので、思い出しながら書きました)。

何が言いたいかというと、温泉の伝説を比較して考える際には、発見に関するものだけ取り上げていると見失うものがあるのではないか、ということです。とりあえず、個人的に⑤温泉が変化するタイプと呼んでおります。

実は、それ以外にも⑤温泉に入った人物の伝説というのがあります。古代の天皇だったり、妖怪だったりしますが、ある人物が入湯したということを伝える伝説があります。
ゆざわですと、

小安峡 小安峡温泉に僧侶に化けた蛇が入湯(『湯沢市史』)


のような伝説があります。

一応、①から⑤まで分類はしておりますが、そんなに単純なものでもありません。
それぞれの型が結びついたり、あるいはひとつの温泉に二つの型の伝説があったり、上記の型を基本として複雑に伝承されています。

おそらく、一つか二つは聞いたことのあるような伝説があったのではないかと思いますが、いかがでしょうか?

ちなみに、「伝説」というと何だかふるめかしいもののように思われますが、実はそんなことありません。
それは、伝説が形を変えながらも現在まで伝えら(伝承さ)れているという意味でもありますが……近年にもこれらの伝説と同じ形の話が作られています。

これは聞いた話で、実際に調査にも行っておらず、資料も持っていないので微妙なのですが……千葉のとある温泉は、ある人物が夢で御告げをされて発見したそうです。そして、その「ある人物」から、直接お話を聞いたある方(複雑)から、私はお話を聞いたわけです。
活字になっているものでは、昭和の終わりから平成にかけて(だったと思います)、温泉をボーリングする際に御告げにあった場所を掘ったら本当に出た……そんな話が、とある市町村に記載されておりました。

これらのことが、「伝説」として伝えられているか。それはまた別の問題があるように思いますが、すくなくとも
いつの頃からか各地の温泉に広まっていった伝説の型は、現在でも用いられている例があるというのは間違いないようです。

ゆざわにおいて、それらの伝説が取り上げられているのは、各温泉のウェブサイトだったり、案内看板だったりします。「温泉の名前」それ自体も、伝説にもとづいて使用されていることもあります。……もっとも、「名前に沿って伝説が創られる」という可能性もありますよね……。

あいも変わらず、まとまりがない記事ですね。
ということで、本日の記事は事務局のかわべぇがお送りいたしました。

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湯沢市ジオパーク推進協議会事務局

Author:湯沢市ジオパーク推進協議会事務局
世界ジオパーク認定登録を目指して日々活動している「湯沢市ジオパーク推進協議会」事務局です。

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