湯沢市ジオパーク推進協議会は、秋田県湯沢市の「世界ジオパーク」認定登録に向けて、日々奮戦中です。
ゆざわジオパークのいろいろな情報や事務局の日々の感想をつづるブログです。

ゆざわの文化:関口ささら舞(関口)

2013-09-20

こんにちは。湯沢市ジオパーク推進協議会事務局のかわべぇです。
本日は、関口ささら舞についてお伝えいたします。

八幡神社の例祭である9月15日、関口地区で行われる関口ささら舞を見学しに行ってきました。
『秋田県民俗芸能一覧』(秋田県文化財調査報告書118)には、「神前においてお祓いの後、悪魔退散、五穀豊穣、悪病消除を祈願し各戸を廻る。麒麟5頭による獅子踊は県内では珍しい。式舞と座敷舞がある」(41p)と記されています。また、秋田県立国際教養大学の「秋田民俗芸能アーカイブス」(http://www.akita-minzoku-geino.jp)の「関口ささら舞」の紹介ページには、次のように記されています。

八幡神社の例祭に奉納される一人立ち一頭獅子舞である。桓武天王の御代、坂上田村麻呂が悪路王退治に当地にいたるとき、東鳥海山に薬師仏を祀る権現堂を建立し最上左沢(現山形県)で見たという麒麟の像を造り奉納したという。それによって悪路王征伐を成し遂げることができ、祈願達成奉祝の舞として麒麟の頭をつけて舞うこととなったのだと伝えられている。いわゆる三匹獅子舞の系統を引くものであるが、由来のように頭は麒麟だとされ、指揮(中)獅子が一匹に、雄雌の獅子が二匹ずつとする五匹の舞となっているところに特徴がある。演目としては、道太鼓・雌獅子舞・雄獅子舞・神殿の舞・入れ替え・突進士などがある。舞手は獅子頭を頭に戴き、腰につけた太鼓を覆うように全身を一枚の幕布をつけている。この幕には神紋と裾には稲穂が染め抜かれていて、稲穂は豊作を祈願するものとされる。頭と一体となっている後ろに垂らす背覆いは鶏の羽が多数つけられたものである。なおこのささら舞にはささらそのものがない。囃子には締太鼓、笛、手平鉦がある。これに歌が所々に入るものである。



当日、8時半、八幡神社前に赤と青、二種類の衣をまとった方々が現れました。頭には、獅子・麒麟の頭がつけられています。

鳥居のあたりで、一度舞ったあと、神社に向かう石段を上がっていきます。
(今回は、事情により神社に入ることは避けました)
IMGP3678.jpg

9時半ごろ、神社から降りてきて、村の各所を回ります。
各戸の家の前で、舞いを行います。本来は、ナカジシ1体、メジシ2体、オジシ2体の計5体で回るそうですが、現在は2体ないし1体でひとつの家を担当しています。
「5体でやっていると、夕方になっても終わらない」ということをおっしゃっていました。
獅子頭は新旧あわせて全部で10体ありますが、舞手がいないため、すべては出していないそうです。
「本当は、5体5体で二組に分かれて回りたい」ということも、おっしゃっていました。
何のために回るのか尋ねると、「昔疫病がはやったので、それを防ぐためにやりはじめたと聞いている」とのことでした。

さて、村を回る順序ですが、基本的にこちらの方から回るという決まりはあるものの、詳しいルートが決まっているわけではないようです。袋小路になっている場所などは、獅子2体と笛の組み合わせで回ってくるなど、効率的に回れるように、その場その場で手分けをしておりました。

今回、ささら舞に同行させていただいてはじめて気づいたのですが、関口という地域はかなり広いです。

大きな地図で見る


実は、東鳥海山まで関口だったとは……ううむ、あなどれません。「民俗芸能アーカイブ」の解説に、なぜ東鳥海神社が出てくるのかわからなかったのですが、東鳥海山の一部が関口に含まれているとなると、なにか関係があるのかもしれません。

地図を拡大していただくと、「八幡神社拝殿」というものが見えますが、そこをスタートしまして、まずは西に伸びている県道沿いを歩きます。こちらは家の数こそ少ないものの、とにかく距離があるので移動が大変です。
地域が広いので大変ですねというと、「本番はここからだ」という趣旨のことをおっしゃっていました。
各戸で舞を行うため、家が密集している駅周辺(旧・羽州街道)沿いの方が、時間がかかるそうです。

一番奥の家を祝福し終えると、上湯沢駅の方に戻ってきます。三関小学校の西にある交差点から、旧・羽州街道を湯沢市街に向かって北上します。途中、上湯沢駅のあたりで昼食となります。
IMGP3697.jpg

午後の開始は13時半。上湯沢駅近くのお宅からスタートします。
当日は、残念ながら大雨でございました。例の台風の前日ですので……。
そんな雨のなか、獅子と笛の皆さんはびしょぬれになりながら、やってらっしゃいました。
「なんだか毎年、雨なんですよ」そんな風に言っておりました。季節的にも仕方のないことなのかもしれません。

その後、街中を回っていきます。たしかに家が密集しており、かなり大変なようでした。関口ささらは、舞いながら太鼓も叩いているので、おそらく体力も使うことと思います。

最後、関口の北のはずれにたどりついたのは、16時過ぎ。神社に戻ったのが、16時半でした。
IMGP3791.jpg

全体の印象をざっくりとご紹介いたしました。
一日同行させていただいた中で、興味深かった点を3点ご紹介して、まとめに代えさせていただきます。

①舞の種類
基本的に、家々の前ではある特定の舞を行います。ですが、その舞の前に他の舞を踊る家があります。
今回同行したなかで見られたのは、「オジシマイ(雄獅子舞)」「メジシマイ(雌獅子舞)」「セイチョウ(正調?)」でした。
ランダムに行っているわけではなく、「関口ささらに参加している人」の家の前では、二階建て(オジシマイ等+通常舞われるもの)の舞になるそうです。
全部で何種類あるのか尋ねたところ、「神社では全部踊る。だいたい20分ぐらい」とのことでした。
今年は見ることができなかったので、来年はしっかり見てこようと思います。

②仁王像
基本的には神社と各家を回り舞を行うのですが、実はそれ以外にも舞を行う場所があります。
それは、仁王像の前です。関口には、ふたつの仁王像があります。
三関小学校の東にある十字路に一体、もう一体は旧街道を北上したところにあります。旧街道沿いには、石材屋が立ち並ぶ場所があります。南から行くと、その手前に仁王像が立っています。
これらの仁王像は、「村に悪いものが入ってこないように守ってくれている存在」だそうです。
ささら舞の目的のひとつには、「悪病消除」でした。
村に入ってくる悪いものを払う存在として、カシマサマと同じ境界を司る神だと指摘する研究者もいます。
この境界に立つ人形と、ささら舞とはどんな関係があるんでしょうか?
他地域のささら舞と比較してみれば、わかるかもしれません。
IMGP3782.jpg


③伝承者
関口ささら舞を伝承されている方々は、非常に若いです(構成員の年齢まではお聞きしていませんが)。
湯沢市の無形民俗文化財に指定されており、保存会が設立されているため、体制づくりがしっかりとなされているからでしょうか?
ゆざわに限らず、秋田にきてからいくつかの芸能や民俗を見てきました。
若い方が主体となって伝承されているものは、多くはないように思います。
なぜ、関口ささらは上手く伝承されているのか。今後、調べてみたいと思います。

そんなわけで、今回は神社の部分のレポートがなく中途半端な上に、いつもどおりのまとまりのなさで、事務局のかわべぇがお送りいたしました。

≪ゆざわの文化≫バックナンバー
「カシマサマ(鹿島様)」
「小町伝承――小野小町は鹿の子どもだった?」
「カシマサマの衣替え(若畑)」
「泉沢番楽」
「ジェンコマキ」
「雨乞い」
番外編「ヤクジンサマ(横手市・大雄藤巻)」
「東鳥海神社(半夏生の祈祷)」
「わら人形作成(秋の宮野中)」
ゆざわの文化:わら人形作成と巡行(小野御返事)
⑪「関口ささら舞(関口)」
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湯沢市ジオパーク推進協議会事務局

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世界ジオパーク認定登録を目指して日々活動している「湯沢市ジオパーク推進協議会」事務局です。

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