湯沢市ジオパーク推進協議会は、秋田県湯沢市の「世界ジオパーク」認定登録に向けて、日々奮戦中です。
ゆざわジオパークのいろいろな情報や事務局の日々の感想をつづるブログです。

12月の年中行事:お正月はいつからはじまるのか?

2013-12-01

こんにちは。事務局のかわべぇです。
さて、人も走れば車も走る、みんなばたばた十二月。そんなあわただしい季節がやってまいりました。
そんな12月に、ゆざわで行われていた年中行事について、紹介してみようと思います。

お柴燈行事
上院内荒町常覚院において、詰めのお七夜と称し、一日より精進潔斎した人びとが、白装束あるいは水を浴び、数人の行者が各家々の前に出した手桶の水を頭から被りながら、「ざんげざんげ六根清浄」といいながら、街中を練り歩いた。なかには、地蔵を背負いながら、水を浴びた行者もいた。このあと、常覚院内で、お柴燈祭りもあり、参詣人による裸の押し合いもあった。初嫁は、それに巻き込まれ胴上げされれば、よい子を産むといわれており、「子つけさん」と呼ばれる地蔵の信仰も厚かった。各家では、「タンポあぶり」と称し、ご飯を鍋で軽くつき、くしにつけていろりで焼き、ごまみそ・くるみ味噌などをつけて、夜食のようにして食べた。(『雄勝町伝承行事と昔の遊び』)



薬礼の日
一年中の薬代を医者へ持参した。医者は多額のお金を払った者には、料理と酒をふるまい、帰りに正月用の「御とそ」の薬包みをくれた。また、医者の世話にならぬようにと、豆腐をいろりで焼き味噌をつけ、黒こげにして川へ流した。(『雄勝町伝承行事と昔の遊び』)

その年、一年中の薬代を、横堀にいるお医者さんに持参して支払った。医者は、多額の金を支払った者には、料理と酒を出して御馳走した。払えない者は、物で払ったりしないで、現金で払うために、一年支払いを延ばしてもらう。また、いつでも払える者は,十二月八日を待たなくても、その時その時に支払ってもかまわない。この日、医者の診察は休みになる。また、家々では、医者のお世話にならないようにと、豆腐を医者にたとえ、豆腐を三つに切って焼いて味噌をつけ、「八日は、医者サ味噌つけて、薬礼を持ってった」t言った。そして、その豆腐を自分の家で食べた。(『雄勝役内の民俗』)



針供養
女たちは針仕事を宇休んで、針に供物をした。(『雄勝町伝承行事と昔の遊び』)



大黒さんの日
大黒さんは豆が好きだといわれているので、ご飯・汁・大根の煮しめ・大根おろしなどすべてに豆をいれ、大黒さんに備える。また、このとき、マッカ大根も供える。また、大黒さんは耳が聞こえないので、夕食後、生の豆をなべに入れて火で炒ったのを、しゃもじで枡に入れ、大黒さんの前でガラガラと振って拝む。また、この日は、大黒さんのかか取りとも言われ、大黒さんが嫁をもらえる日だといわれる。人参は男、マッカ大根は女を表すというので、マッカ大根を供えるのであろう。(『雄勝役内の民俗』)



山の神の年取り
お盆の上にワラを切って並べ、その上に、臼でついた直径三センチくらいの餅十二個を、縦三つ横四つに置き、神棚に供えた。これは、餅に年をとらせるという意味。その餅は、男は食べてもよいが、「おなごが食べればあらくなる」といわれ、女は食べなかった。この日は仕事は休み。(『雄勝役内の民俗』)



煤払い
煤払いと称して家中の大掃除を行い、正月を迎える準備をした。さおにワラをつないで、縄でゆわえた物で煤を払う。どの家でも、神明様の所を一番先に掃除する。それが終わったら、餅つきをする。その日、人が死んだ家では、煤払いも餅つきもせず、正月も遅れる。(『雄勝役内の民俗』)



餅つき
25~28日ごろまでに行う。御供餅:大型のもの一組、小形のもの十組、年始餅:丸型の薄いのし餅(年始まわりの数作る)、みづの餅:わらを結び、元のほうを末広型に広げたものへ、餅を鏡餅のようにしてつけ、水神様に供える。繭玉餅:養蚕の神に供える。おかの餅:宇賀の神に供える。(旧小正月)に作る、みず木の枝へ小さな餅をつけ、花が咲いたようにする。(『雄勝町伝承行事と昔の遊び』)



詰めの市
12月25日は二十五日市、別名親方衆の市と呼ばれ、裕福な人が行き、二十九日は二十九日市、別名貧乏市と呼ばれ、貧しい人は行った。なぜ貧乏人の方が四日遅いかというと、その分だけ余計働けるからであり、また、二十五日に買っても正月前に食べてしまうからである。朝早く、横堀や湯沢に市が立ち、一家の主婦が正月用の魚・干魚・鶏・数の子などを買ってくる。湯沢は主に衣類が安い。門松はブラク内で採り、注連縄は飾らないので買わない。(『雄勝役内の民俗』)



大晦日
朝神棚を掃除し、正月用の掛け物を床の間にかけ、門松をたて、家のなかに松飾をし、繭玉もちや供え物をし、夕方早めに風呂に入り潔斎する。入り口と神棚にはしめ縄をはり榊を立ててお神酒をあげ、正月膳を用意し、これにその家々独自な料理を備え、大型のお供餅とお神酒と灯明をつけて準備する。このほか、伏せた臼の上、神棚などにも同様に供え物をして、家族全員が参拝をしてから、年取り祝いを行う。早く寝れば白髪が増えるといって、十二時までおきていた。夜食として、「運のソバ」を食べた。(『雄勝町伝承行事と昔の遊び』)

二十九日の晩に、山から松を採ってきて、31日の晩に門松をたてる。それから、神明様・大黒柱・床の間・座敷・居間・台所の順に松飾りをする。松は、三段か五段になっているのを二本ゆいつける。この松の意味は、暗い家の中ばかりいて、きれいな空気も吸えないから、新鮮な空気を吸うために、というのと、この松のように、色も変わらず、その家の心も変わらずに、仲睦まじく不平不満なく、青々ときれいな心で、いついつまでも働かせて下さい、というのとがある。床の間には餅を供え、掛字を掛ける。夕食は御馳走で、大根と人参を細かく刻み、ねぎも入れてなますを作る他に数の子・たこや鮪の刺身・鯉や鮒の甘煮・焼いた鯛・濁り酒などもある。なますの中にぶりを入れる時もある。家族全員の膳を神明様に供えてから、十分くらいしたら食べる。夕食の時刻は普段より早い。家族が、互いに、年がいくつになったか奇異ながら食べる。必ず風呂をわかし、今年の無事を感謝し、来年も又無事であるように祈って入る。夜は、子供は子供同士、近所に遊びに行って、甘酒などをご馳走になり、九時頃までには帰ってくる。おとなは、運引きといって、六本か八本のひものどれか一つに一文銭をつけ、それを引き当てた人は、はずれた人からお金をもらう、という遊びを、大根なますや大根の煮つけを食べ、酒を飲みながら、一晩中やっている。(『雄勝役内の民俗』)



わたわたと並べてみました。
並べてみると、正月のための餅つきや年始を迎えるための品々を買う市、煤払いなど、正月のために行う行事が多いと思います。山の神様の年取りを行うという地域もあるようです。

もっとも、現在、これらの行事がどの程度行われているのかは調べてみないとわかりません。根拠のない想像ではありますが、ほとんど行われていないのではないかという気もいたします。

さて、「正月」といったとき、いつからいつまでを指すのかというのも問題なのでしょうが、きょうお伝えしてみたいのが「正月はいつからはじまるか?」ということです。

さて、お正月はいつからはじまるのでしょうか?
1月1日になった瞬間でしょうか? 初詣をしたとき、若水を汲んだときなんていう方もいるかもしれません。

ですが、先に見たようにまだ年の明けぬ12月のうちから、お正月を迎えるためのさまざまな準備がはじまっています。正月に必要なものを買わなければ、あるいは大掃除を済ませなければ、お正月は迎えられない。そう考えてみると、実は「数々の準備を行う12月から、「お正月」ははじまっている」と言うこともできるのではないでしょうか?

11月20日すぎ、ゆざわにある某スーパーでクリスマス用のお菓子の詰め合わせ(ブーツの形をした入れ物に入っているやつです)を並べている店員さんを見て、「気が早いなぁ」などと思っておりました。もはや「クリスマス」も立派な年中行事ですよね。

民俗学者・柳田國男は、「一つの土地、一つの家だけに限られた特色で無く、汎く日本といふ国に住む者の共に知り、共に守らうとして居たもの」(「年中行事覚書」、『定本柳田國男集』13巻 所収)と定義しておりますが、おそらく「クリスマス? なにそれ?」という人はいないでしょうし、クリスマスに何らかの特別なことをする方は多いのではないかと思います。

実は、クリスマスを含めた新しい年中行事に関するアンケートや考察などは、すでに行われております(石井研士『都市の年中行事』、井上忠司・サントリー不易流行研究所『現代家庭の年中行事』)。後者は講談社現代新書の一冊ですし、前者も固い文章ではありません。ご興味のある方は、一読されてみてはいいのではないかと思います。

閑話休題、話をお正月に戻します。その数日後、同じスーパーにいったら、なんと鏡餅が並んでおりました。

店頭に並んでいれば、おそらく買ってみる人もいるのでしょう。そうなると、12月などという話ではなく、11月の終わりから、すでにお正月(のための準備)をはじめようという方もいるということになります。

「昔はいろいろな行事があったのかもしれないけれど、いまは……」と思わないでもないのですが、スーパー等のお正月に関する商品の取り扱いをみると、むしろ正月は前倒しになっている感じもいたします。先に挙げた「詰めの市」は、いまやスーパーに取って変わったのですから。……いつから変わりはじめて、どのくらいの速度で変わったのかはまた興味のある部分ではあります。

さて、みなさんの「お正月」はいつからはじまりますか?

以上、事務局のかわべぇがお送りしました。
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湯沢市ジオパーク推進協議会事務局

Author:湯沢市ジオパーク推進協議会事務局
世界ジオパーク認定登録を目指して日々活動している「湯沢市ジオパーク推進協議会」事務局です。

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