湯沢市ジオパーク推進協議会は、秋田県湯沢市の「世界ジオパーク」認定登録に向けて、日々奮戦中です。
ゆざわジオパークのいろいろな情報や事務局の日々の感想をつづるブログです。

ゆざわの開闢

2013-12-23

 みなさま、こんにちは。
 湯沢市ジオパーク推進協議会事務局のミレーです。

 ずいぶんと仰々しいタイトルですが、どうか気楽にご笑覧ください。

 前回取り上げたのはギリシャ神話のテューポーンについてですが、今回はまさに日本神話に取材して、ゆざわジオパークの物語をあれこれと考えてみました。





 天之御中主神/アメノミナカヌシノカミ……はさておき、物語は天地開闢の真っただ中、伊邪那岐/イザナギと伊邪那美/イザナミの夫婦神から始まります。

 天浮橋/アメノウキハシに立ったイザナギは天沼矛/アメノヌボコで眼下の渾沌をかきまわし、鉾から滴り落ちた雫は日本列島となりました。ちなみに天沼矛は天逆鉾/アメノサカホコと名を変えて、今も霧島の高千穂に在ります。すごい!
 また、イザナギとイザナミは多くの神々を産みました。山の神、海の神、そして……火の神。
 加具土/カグツチという名の“火”の神を産んだせいで、イザナミは火傷を負い、それがもとで病に伏せります。その時のイザナミの“吐瀉物”からも、多くの神々が生じました。げろげろ。

 結局、イザナミはカグツチを産んで負った火傷によって死んでしまいます。妻を亡くしたイザナミは嘆き悲しみ、やがてそれはカグツチへの怒りへと変わり、そして…………という具合に物語は進み、やがてアマテラスやらツクヨミやらスサノオやらが出てくるわけですが、ゆざわの神話はここで本筋と分かれます。

 さて、病に伏せるイザナミの吐瀉物からも、多くの神々が生じたと書きました。
 その中に、金山彦神/カナヤマヒコノカミ(あるいは金山姫神)と、金屋子神/カナヤゴカミという二柱の神がいます。

 ん?

1_20131220172855aa1.jpg

 !?

2_201312201728580f3.jpg

 金山彦神は「金山」の名のとおり「鉱山」――“土”の神であり、「金屋子神」は「金屋」の名のとおり「鉱業」――“金”の神です。
 すみません、結構こじつけです。実際二柱の神は限りなく近い神格で、“土”と“金”を併せ持つと思ってください。これらの神々は、鉱山、鉱業、鍛冶といったものの守護者でした。


 ところで、ゆざわの“水”はなぜおいしいか、ご存知でしょうか。
 ゆざわに降る大量の雪はやがて雪融け水となり、さらにその水が地下に浸透し、湧き出す過程で豊富なミネラル分を含むから……
 ちなみに、「鉱物」は英語にすれば「ミネラル」といいます。(無機質としてのミネラルと鉱物としてのミネラルは厳密には違いますが、まぁ、それはそれということで)

 ん?

 地下に染み込み、ミネラル分を含むおいしい水が……

 鉱物……“金”……“水”……
 雄物川の源流は院内銀山の奥でしたっけ。


 そろそろ勘のいい方には見えてきたでしょうか?


 豊富な水はゆざわの大地を潤し、優れた農産物を育みます。
 三関のセリなんかがいい例です。
 水があるからこそ、植物が育つのです。

 ん?

 “水”……植物……“木”……



 カグツチ→金山彦神&金屋子神→湧水→農産物

 火→土→金→水→木

 !?

 順番を変えると

 木 火 土 金 水

 !!

 なんということでしょう、これこそまさに「木は火を生み、火は土を生み、土は金を生み、金は水を生み、水は木を生む」という「五行相生」そのものではありませんか!

 天地開闢から五行相生へ。どちらも「日本の根っこ」を構成する物語です。
 然るに「鉱山」という空間は、木火土金水すべての要素を兼ね備えているように思えます。当時、製錬には炭――“木”が必要だったわけですし。
 ゆざわの鉱山といえば院内銀山。そういえば院内銀山には……

3_20131220172858199.jpg

 これはひょっとして……



 「ええいイザナミはどうしたイザナミは!」
 イザナミは森羅万象を生み出した母神です。山も海も彼女は産んでいます。イザナミは「ジオ」です。


 「火から始まって木に辿り着いたはいいけれど、木から火はどうこじつけるの?」
 ゆざわジオパークのサブテーマを覚えていますか?
 「銀で築き、清水と共に歩み、地熱で未来を切り拓く」……
 火→土→金→水→木 → 火(地熱)
 未来において、我々は再び火を手に入れるわけですね。うーむ、我ながらなんというこじつけ。





 イザナギとイザナミは日本列島を生み出した。
 カグツチを産んだことで、イザナミは大いに苦しんだ。
 病床のイザナミの吐瀉物から、金山彦神と金屋子神が生じた。

 これら神代の三行を、自然科学の世界観と照らし合わせてみましょう。

 プレートテクトニクスにより、日本列島が形成された。
 (日本列島の原型を作った白亜紀後期のプレートは、“イザナギプレート”と名付けられています)
 活発な火山活動により大地は鳴動し、刻々と姿を変えていった。
 火山に起因する様々な現象は時に山々を作り、また様々な鉱物を生み出した。

 これで終わりではありません。

 ゆざわの礎を築いた院内銀山の金山神社では、金山彦神(金山彦命)を祀っている。
 さらに、金山神社には日本列島の形成に用いられた天沼矛のレリーフがある。
 天水が大地に染み込み、豊富なミネラル分を含んだ湧水にゆざわは恵まれている。
 豊富な水は大地を潤し、様々な農産物を育んでいる。
 そして現在のゆざわは、今再び足下に眠る“火”に目を向け、未来を掴もうとしている――





 「ゆざわの大地の歴史」に、「日本神話の天地開闢」と「五行相生」を織り込んで、神話的ダイナミズムを獲得しようという試みは、とりあえず以上で終了です。

 どう思われるかは、読者の皆様次第。

 ぜひ、皆様の紡いだ物語を聞かせてください。


 本日のブログはミレーがお送りしました。
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Author:湯沢市ジオパーク推進協議会事務局
世界ジオパーク認定登録を目指して日々活動している「湯沢市ジオパーク推進協議会」事務局です。

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