湯沢市ジオパーク推進協議会は、秋田県湯沢市の「世界ジオパーク」認定登録に向けて、日々奮戦中です。
ゆざわジオパークのいろいろな情報や事務局の日々の感想をつづるブログです。

ゆざわの古写真:湯ノ沢温泉(昭和40年ごろ?)

2014-07-27

こんにちは。事務局のかわべです。

先日の記事で、「ゆざわの古い写真を集めている」ことをお伝えしました。すでに数人の方から、写真をご提供いただいています。今回は、その中の一枚を見てみようと思います。
20140715110128120_0001.jpg
これは、院内にある湯ノ沢温泉「日勝館」の写真です。院内にお住まいの方からご提供いただきました。どうやらご親戚が遊びにきたときに撮影された写真のようです。「日勝館」という名前の由来は、「日露戦争に勝利した直後」だったからというもの。日露戦争は、明治38年のことですから、明治末期に開業した温泉宿のようです。
ちなみに、『雄勝町史』(昭和63[1988]年)にも、湯ノ沢温泉の写真が掲載されています。
20140724102541512.png
明治41[1898]年に発行されている『秋田県案内記』には、「鎌田武治巨費を以て岩石を掘り人車を通し浴舎を新築し設備完具し温泉は諸病に効験あるも僂麻質斯、脚気に特効あり秋田衛成病院転地療養所となり瀑布の観るべきあり本県第一の避暑地たり」と記されています。秋田衛成病院は、上中城町にあった陸軍の衛成病院のこと。『陸軍軍隊官衙学校衛戌地及所在地便覧』(大正1[1912]年)には、第八師団の管轄として記されています。

現在では、湯ノ沢温泉は「皮膚病に効く」という話を聞いたことがあります。ですが、明治末期には、リュウマチと脚気に効果があると考えられていたようです。さらにさかのぼってみますと、『雄勝郡村記』にも湯ノ沢温泉の記述があるようで(原本が手元にないので、『雄勝町史』の孫引きです)、「浴する者一日十文、眼病疱瘡を治すといふ」(『雄勝町史』:155p)とあります。

ひとつの温泉の効能(成分)が、時代を経て変わった……ということは、考えにくいと思います。むしろ、時代の要請に応じて、喧伝する内容が変わっていったと考える方が自然でしょう。

各地の温泉が喧伝する効能に、時間差や地域差はあるのでしょうか? 温泉が宣伝のために用いたと考えられているもののひとつに、温泉に関する伝説があります。全国各地津々浦々に温泉がある日本ですが、温泉の伝説もまた大量にあります。温泉に関する伝説を全国的に収集し、分析しますと、以下のような分類ができます。

①温泉の起源に関するもの
A温泉発見型、B温泉湧出型
②温泉の枯渇に関するもの
③温泉に入った人物

おおむね、このような形になりますが、いくつかの形が複合したものもあります。①Aは、「動物による発見」「神仏のお告げ」の二通りがあります。Bは、特殊な能力を持った人物(有名な武将や僧侶など)が、杖や鎌を用いて、岩を穿つと、温泉が出てきた、というものです。②は、温泉にまつわる神仏の怒りを買い、温泉が枯れてしまったという話が主になります。また、宗教的な職能者が登場し、温泉をわざと枯らしたという話もあります。③は、温泉に入った人物についてです。「人物」というのは、実は正確ではありません。高名な武将や神仏、天狗などの妖怪が入湯したという伝説もあります。

これらの伝説も、時代を経るごとに、形が変わっていったものと思われます。全国的に分布しており、数が多いのが、①A「動物による発見」です。中でも、鳥が傷を癒しているのを見て発見したという温泉が多いです。熊や鹿など、大型の哺乳類によるものは、東北日本に多い傾向があります。

ちなみに、これらの伝説は、近現代になっても生まれているようです。わたしの知っている①A「神仏のお告げ」型で、一番新しいものは、昭和の終わりから平成元年にかけてのことを語っています。当時の竹下登首相が行った「自ら考え自ら行う地域づくり事業」、いわゆる「ふるさと創生事業」では、各市町村に1億円の地方交付税として交付されました。各自治体さまざまな事業を行ったようですが、温泉をボーリングしようとした地域も少なくなかったようです。

そのうちのひとつ、とある地域では、ボーリング調査を続けたものの、温泉が出ませんでした。そんなとき、関係者に夢のお告げがあり、そのとおりに作業をすると温泉が出たという話を見たことがあります(ちなみに、市史等に掲載されていたものだと思います)。

こういう記述をみると、「伝説は現代でも作られているのだなぁ」などと思います。一昔前、「都市伝説」という言葉がはやっていましたが、あれも現代の伝説のひとつでしょう。もともとは、“urban legend”の訳語だった気がします。

なんだかどこまでも話が外れていってしまいそうなので、本日はこのあたりで。以上、事務局のかわべぇがお送りいたしました。
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世界ジオパーク認定登録を目指して日々活動している「湯沢市ジオパーク推進協議会」事務局です。

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