湯沢市ジオパーク推進協議会は、秋田県湯沢市の「世界ジオパーク」認定登録に向けて、日々奮戦中です。
ゆざわジオパークのいろいろな情報や事務局の日々の感想をつづるブログです。

ゆざわの文化:降木神社のエビスダワラ奉納(下院内)

2014-09-16

こんにちは。事務局のかわべです。気づけば「ゆざわの文化」シリーズも18回目でございます。何回まで行くんだろうなぁ……などと思いながら、本日は下院内地域の降木神社で行われたエビスダワラ奉納のようすをお伝えします。

今回、お邪魔したのは、下院内笈形町地域です。「御屋敷」「内町」と呼ばれている地域をあわせて、「おいかた」と呼ぶそうです。ゼンリンの住宅地図なんぞ見ますと、「笈形町」となってますね。

夕方、17時ごろ、笈形町に到着しました。この日、ガイド養成講座が行われていたので、ハシゴ状態です。何はともあれ、集合場所にいってみると、空き地にエビスダワラと灯篭が置かれています。そして、お隣の家からは「わはは」と楽しげな声が……町内会館なのかな、と思いましたが、どうやら個人の御宅のよう。

とりあえず、町内を歩いてみることにします。まだエビスダワラの巡行がはじまる様子はありませんし、何はともあれ、降木神社を確認しなくては! 住宅地図で確認した何となくの記憶を頼りに、向かいます。……が、場所がわからない!

道路で遊んでいた小学生と中学生に道を尋ねて、どうにか神社に到着しました。拝殿まで行ってみますと、神主さんがきていて、宵宮祭を執り行っているようでした。とりあえず写真だけ撮影して、先ほどのワハハな御宅へ。
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するとちょうどタイミングよく、わらわらと人が出てくるところでした。全部で20名以上いたと思います(正確な数は野帳にも記しておりませんでした。増減もあったので)。何となく記念撮影なんぞして、いよいよエビスダワラの巡行がはじまります。降木神社のエビスダワラには、灯篭と太鼓に、さい銭箱とお酒などを積んだリアカーが同行します。
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一軒ずつ回りながらエビスダワラの歌を唄って歩いていきます。お札の頒布等は行われず、伺った家では出迎えてくれた方にお神酒を飲んでいただいていました。各家からは、御初穂を渡していました。
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ところで、今回のエビスダワラの巡行には、かなり若い方(ゆざわ基準での「若い」ではなく、20歳前後の方々です。念のため)が参加していました。「この地区は、ずいぶん若い人が多いんだなぁ……」などと思って話を聞いてみましたら、なんと秋田大学の学生さんだそうです。

実はこのエビスダワラは、近年になって復活したものだそうです。復活して今年で4年目、それ以前は16年ほど断絶の時期がありました。復活の契機になったのは、秋田県の主催する「あきた元気ムラ」に指定されたことだそうです。県の元気ムラ支援室と合同で行ったワークショップで、復活の声が上がったそうです。当時、元気ムラの事業に関わっていた秋田大学のI准教授の呼びかけで大学生が参加するようになったとのこと。

そんなこんなで、数回の休憩をはさみながら、降木神社にやってきました。わたしはエビスダワラに先行して、ひぃひぃ言いながら神社の階段を駆け上がり、カメラを構えておりました。すると、下のほうから勢いよくエビスダワラが駆け上がってきました。拝殿では、カクネン(格年)と呼ばれるお祭りの当番の方々が出迎えます。
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奉納が終わると、拝殿のなかで直会が行われます。その際、神社の境内では……なんと! エビスダワラが破壊されます。「奉納が終わったら、ほごす(壊す)」ことが決まりのようで、地域の男性がエビスダワラを地面に打ち付けておりました。下院内ではエビスダワラを作ることができる人がいないそうで、地域外の方に作ってもらっているようです。当然、いくらかの手間賃がかかるわけで、「来年のために取って置けばよい」、「いやいや。年に一度のお祭り、また来年作ってもらえばよい」というようなやりとりののち、結局、壊してらっしゃいました。

そんなわけで、下院内のエビスダワラ奉納のようすをお送りいたしましたが、いかがでしたでしょうか? 地域外の若者がお祭りに参加するというのは、少し奇妙な感じがするという方もいるかもしれません。ですが、現在ではそういったお祭りも珍しくないようです。

たとえば、横手市で行われている「金澤八幡宮伝統掛唄」というものがあります。これは八幡神社の宵宮に行われるもので、一晩中、仙北荷方節に歌詞をつけた歌を唄います。二人一組で行われ、相手の歌に対応した歌詞をつけて唄います。地元の小学生・中学生などに対して養成を行うなどしておりますが、この行事も年々参加者が少なくなっているようです。わたしが去年見学に行ったとき、やはり大学生が多く参加しておりました。新潟大学の学生さんと先生も参加されていました。やはり、研究で訪れるなど、何らかの経緯があって、参加されているものと思います。
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大学以外の例では、わたしと同じ地域おこし協力隊の隊員が、地域の芸能を継承している地域があります。秋田県内では、男鹿のナマハゲをやっているという協力隊員の方とお話したことがあります。このようにさまざまな形で、地域外の人を取り込みながら、お祭りを行っています。

このお祭りをめぐる状況は、なにもゆざわに限ったことではないはずです。東京都渋谷区に金王八幡神社という神社があります。その例祭では、神輿の巡行が行われます。町内ごとに神輿を出しているのですが、それらの神輿が一か所に集まる場所があります。それは渋谷109の交差点です。渋谷のど真ん中の交差点に、十数台の神輿が集まるようすは異様な光景だと思われる方もいるかもしれません。ですが、実際にはいつもとあまり変わりありません。いつものように多くの人が行きかう、渋谷の街です。ただ、道行く人が物珍しげにスマートフォンで神輿の写真を撮っているだけです。そのお祭りを見るために来た、というようすの人は見かけられません。もちろん、この神輿を目当てに見学に来た人もいるのでしょうが、多くの人は「たまたま」通りかかったので見ている方だと思われます。実際に、神輿がそれぞれの方向に散っていくと、数多くいた見物人もいなくなります。

……話が逸れにそれてしまいましたが、とにかくそんなお祭りがあります。わたしは、2012年度のお祭りを見学しにいきました。その際に、渋谷のセンター街の神輿について回っていました。その神輿を担いでいたのは、ほとんどが地域外の方でした。地域外の「神輿愛好会」がいくつか参加して、神輿巡行を行っていました。

ゆざわと横手、秋田、そして渋谷のセンター街と、かなり恣意的な、そして極端な例を示しましたが、お祭りにおける地域外の人の参加というのは、案外多いのです。場合によっては、地域外の人を積極的に参加させる場合もあります。旅人を積極的にお祭りの主役にする……そんな地域も少なくなかったようです。

地域の人が行ってきたお祭りが維持できなくなり、地域外の参加者によって何とか保たれているという状況を、否定的に見る向きもあるでしょう。でも、実はお祭りって、「地域の人」にこだわってやる必要もないのではないか、ということです。

またまた長くなってしまいましたので、きょうはこのあたりで。というわけで、本日の記事はかわべがお送りいたしました。

≪ゆざわの文化≫バックナンバー
「カシマサマ(鹿島様)」
「小町伝承――小野小町は鹿の子どもだった?」
「カシマサマの衣替え(若畑)」
「泉沢番楽」
「ジェンコマキ」
「雨乞い」
番外編「ヤクジンサマ(横手市・大雄藤巻)」
「東鳥海神社(半夏生の祈祷)」
「わら人形作成(秋の宮野中)」
「わら人形作成と巡行(小野御返事)」
「関口ささら舞(関口)」
「わら人形の衣替え(羽場)」
「ニンギョウタテ(皿小屋)」
「雪中田植え(駒形町)」
「カシママツリ(岩崎)」
「役内のムシマツリ(役内)」
「役内番楽(役内)」
⑱「降木神社のエビスダワラ奉納(下院内)」
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世界ジオパーク認定登録を目指して日々活動している「湯沢市ジオパーク推進協議会」事務局です。

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