湯沢市ジオパーク推進協議会は、秋田県湯沢市の「世界ジオパーク」認定登録に向けて、日々奮戦中です。
ゆざわジオパークのいろいろな情報や事務局の日々の感想をつづるブログです。

ゆざわの文化と大地と

2015-03-27

こんにちは。湯沢市ジオパーク推進協議会事務局の川邉です。

なんでこんな改まったあいさつかと申しますと……そうです、アレです。年度末だからです!笑
実は、かわべのブログ当番は、今日で最後なんですねー。ということで、改まったあいさつではじめてみました。

わたしがゆざわにやってきてから、実に2年の月日が経とうとしています。その24か月の間、ゆざわジオパークの事務局員務めさせていただきました。つまり、それはこのブログを書いている期間とも一致します。

自分で書いた文章を読み返すという癖がないもので、自分で書いた記事の内容をあまり覚えておりません。これを機会に読み返してみよう……と思います。昨年度から、ゆざわの文化についていろいろ情報発信をしてきました。そちらを振り返ってみたいと思います。

『ゆざわの文化』(の一端)をまとめて振り返ってみましょう。
「カシマサマ(鹿島様)」
元岩崎小前のカシマサマ
なにはともあれ、最初はカシマサマ! この頃は、きちんと時間をかけてブログを書いていたようで、資料の引用などもしておりますね。ムラの外れに祀られている藁人形。ゆざわにだけあるものではありませんが、木の骨格に藁、石に藁をかぶせる、石だけ、藁の人形をかついで回るなど、そのバリエーションの豊富さでは、ほかの地区と比べようもありません。

なぜ、そんなに多様な人形が、ゆざわの大地にいるのかについては、もう少し考えなければいけませんが。

「小町伝承――小野小町は鹿の子どもだった?」

お次は小町伝承についてです。小野地区の小町伝承というと、非常に形の整った物語が語られておりますが、この記事で紹介したように、近世には「小野小町は女鹿の子供だった」というような伝承もあったようです。口承文芸の研究者が、異類婚姻譚と呼ぶタイプのお話です。みなさんご存じの『鶴の恩返し』にも、鶴と若者とが世帯を持つ話などもございます。あとは『魚女房』などなど、挙げていけばたくさんあります。

伝承というのは、なにも変わらずに語り継がれてきたものではありません。少しずつその形を変えながら、伝えられてきています。変わりにくい部分と変わりやすい部分、というのはあると思いますが。

「カシマサマの衣替え(若畑)」
若畑のカシマサマ
再びカシマサマの登場です。これは皆瀬の若畑地区に取材に行ったときの記事ですね。
カシマサマの衣替え(作りかえ)を見せていただいたのは、この時がはじめてでした。藁仕事、わたしには全く縁のないことだったので、大変面白いものだと思いました。

「泉沢番楽」
ケンマイ
はじめての芸能ですね。泉沢番楽。少人数で実施しているもので、非常に見ごたえがありました。ただし、いつまで続けていただけるかな……というような気もしております。泉沢番楽は、市の指定文化財にすらなっていないので……。うーん、ちょっと心配です。

「ジェンコマキ」
神社の壁には銭が当たった跡が……
続きまして、ジェンコマキ。分類してみれば、神社の特殊神事、でしょうか。森嶽神社のお祭りの際に、行われるもので、厄年の方を中心にした人たちが、少し高いお立ち台にのぼり、神社の拝殿の壁に小銭を投げつけます。

「雨乞い」
雨乞いについての記事です。具体的に、いま見ることができる事例がないので、あまり面白い記事ではないですね。前回のジェンコマキの取材のときに聞いた、雨乞いと藁でできた龍の話をもとに記事を書いたのだろうと思います。そういえば、学生だったときの同期が雨乞いの研究をしていましたね……。

番外編「ヤクジンサマ(横手市・大雄藤巻)」
横手市・藤巻の「ヤクジンサマ」
番外編ということで、湯沢市のお隣・横手市の藁人形について紹介しました。横手市の人形と比較すれば、少しは湯沢市の人形の特徴もわかってくるのではないか。そう思って書いた記事です。湯沢市外なので、プライベートで見学に行ったものを記事にしました。

「東鳥海神社(半夏生の祈祷)」
稲作部会の方々
東鳥海山の山頂にある東鳥海神社遥拝殿で行われているエビスダワラ奉納の行事を取材したものです。記事には書いておりませんが、もともと修験の家系の神社です。江戸時代の旅行家・菅江真澄も、ここの修験に案内されて、東鳥海山に登っています。真澄の東鳥海山・東鳥海神社に関しての記述も非常に面白いものになっています。興味のある方は、ぜひ読んでみてください。

「わら人形作成(秋の宮野中)」
足の指をつける
自分で書いておいてなんですが、また藁人形ですね。どれだけ藁人形が好きなんでしょうか。
さて、野中の藁人形は、ほとんど藁だけで作られているものです。担いで回ることもなく、巨大でもありません。
石を芯にするようになったのは、時代が下ったあとのことだと言われていますし、巨大化は競い合いの結果だと想像されています(考古遺物の銅鐸の巨大化に似ているかもしれません)。想像力を働かせてみると、野中のものがスタンダードだったのではないかと考えてしまいます。もちろん、根拠はないので妄想なのですが。

「わら人形作成と巡行(小野御返事)」
お供え物
まだまだ、藁人形の記述は終わりません。お次は、御返事のカシマサマです。
ここの人形は、湯沢市内で唯一、かついで回る人形です。一番、興味深い形式の人形でもあります。いまでも、気になっています。虫送りとの関係を含めて。

「関口ささら舞(関口)」
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こうして並べて見直してみると、大半が藁人形で芸能は非常に少ないですね。ということで、芸能のご紹介は2つ目です。関口ささら舞。一応、ブログの記事にはしているのですが、私的な都合できちんとした調査ができず、プライベートで写真を撮りに行って、それを載せただけになっています。今年度は写真の撮影と動画を撮影いたしました。なかなかブログでは、ご紹介できませんが……。そのうち、紹介できたらいいな、と思っております。

「わら人形の衣替え(羽場)」

再び、藁人形へ。藁人形ブログ職人みたいになっておりますが、そうではありません。羽場の藁人形は、石に藁をかぶせた水瀬地域と稲川地域にみられるタイプの人形になっています。この地域で作る人形は、3つ。ひとつの地域が作る数としては、一番多いかもしれません。

「ニンギョウタテ(皿小屋)」
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まだまだ、藁人形です。皿小屋のニンギョタテ。ここも若畑や羽場と同じような形です。ここは、近年のお祭りの変化がわかって面白かったです。お祭りの回数の変化、お祀りする人形の数の変化。それを記録することができました。

「雪中田植え(駒形町)」
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駒形町で行われている雪中田植えです。昔はどの家でも行われていたものだと聞いておりますが、いまでは地域で行うところもなくなってしまったようです。記事をお読みいただければわかりますが、駒形小学校の学校行事として行われています。とはいえ、もともと地域で行われていたものを、教育目的で実施している。それを、ある種の伝承の形として考えてみれば、面白いのかもしれません。現代の伝承は、意識的であり、選択的なものです。

「カシママツリ(岩崎)」
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岩崎のカシママツリ、カシマサマの衣替えですね。また、藁人形でした。
湯沢市内では、一番大きな藁人形ということで、衣替えに使用する藁の量も、参加している人数も段違いでした。

「役内のムシマツリ(役内)」
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秋ノ宮の役内集落で行われているムシマツリのようすをレポートしました。
地域によっては、ムシマツリのほかにも、ムシオイとかムシオクリとかいうことがあります。西日本では、実盛人形を用いて行われることもあります。わたしが、どうやら大好きらしい藁人形の文化にもむすびつくかもしれないものです。

「役内番楽(役内)」
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芸能、役内番楽。この芸能も存続が厳しくなりつつあります。主に番楽をする方々の高齢化、ですね。泉沢番楽もそうですが、番楽というのは、非常に美しいものだと思います。特に止まる動きですね。良いたとえではないと思いますが、0-100-0という停止と動きの組み合わせ。身体的な訓練が必要な動きです。

実は秋田県内の他地域の神楽や番楽も、ちょくちょく見に行ってはいたのですが、わたしは緩急のあるゆざわの番楽が好きですね。もちろん、ひいき目ですが。笑
霜月神楽もいいですが、個人的に楽しむならば番楽を見に行きたいなぁと思います。

「降木神社のエビスダワラ奉納(下院内)」
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いよいよ最後の紹介になりました。下院内のエビスダワラ奉納。この行事は、近年、復活した行事です。行政や大学といった地域外部の働きかけが影響しています。エビスダワラ自体も興味深いもので、エビスダワラってどのあたりまで分布しているんでしょうか。東北地方……なのでしょうか? 四国にも同様のものがあることを最近知りましたが、エビスダワラとは呼ばないようです。

以上、今まで書いた「ゆざわの文化」の記事をご紹介いたしました。
いやー、藁人形の多いこと、多いこと。笑

たまに「藁人形オタク」とか「もはや本人がカシマサマ」などと言われるたびに、「そこまでではありませんよ!」と否定し続けてきましたが、ええ。否定する要素はなにもないですね、参りました。

もう認めることにいたしましょう。きっと、わたしは藁人形が大好きなんでしょう。小さなミニコミ誌に記事を掲載していただいたこともありましたし、小さな学会の会報にも記事を掲載していただきました。

2年前、事務局員として働きはじめたばかりの頃、4月後半の週末でした。わたしは岩崎のカシマサマを見に行きました。水神社の境内には、最近、何かを燃やした跡がありました。きっと衣替えの直後だったのでしょう。わたしは、その黒い土を踏みながら、カシマサマの目の前まで行きました。

夕方だったのだろうと思います。木々におおわれた水神社の境内は、少し肌寒かったです。そこで、あの巨大な藁人形を目の当たりにしました。あれからの2年間を振り返ってみると、どうやらカシマサマとの出会いは、わたしにとってとても大きなものだったようです。

さて、このまま長くなり続けてもいけません。そろそろ終わりにしたいと思います。最初に書いたとおり、わたしのブログ当番はきょうで最後です。この3月をもって事務局を卒業することになりました。去る人もいれば来る人もいます。4月からの新メンバー登場にご期待ください。

このブログをお読みいただいているみなさまに感謝を。そして、今後も当ブログおよび湯沢市ジオパーク推進協議会をよろしくお願い申し上げます。

以上、本日の記事は、湯沢市ジオパーク推進協議会事務局の川邉絢一郎がお送りいたしました。
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湯沢市ジオパーク推進協議会事務局

Author:湯沢市ジオパーク推進協議会事務局
世界ジオパーク認定登録を目指して日々活動している「湯沢市ジオパーク推進協議会」事務局です。

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