湯沢市ジオパーク推進協議会は、秋田県湯沢市の「世界ジオパーク」認定登録に向けて、日々奮戦中です。
ゆざわジオパークのいろいろな情報や事務局の日々の感想をつづるブログです。

城館を歩く in 角館

2015-06-21

こんにちは。ゆっこです。
今日の湯沢市ではすごい夕立にあいました。
お昼頃はとても暑く、入道雲みたいな雲があるなあと思っていたら、突然の豪雨。
なんだかとても夏らしい天気でしたね。

さて、昨日20日、角館に行って参りました。
今まで角館と言えば、藤あや子さんの歌から枝垂桜のイメージが強かった私ですが、この日は“戸沢氏の城館を歩く”ということで、中世の城跡とされる所を訪れてきました。
今日はそのことについて書いていきたいと思います。

この日ご案内してくださったのは、考古学の専門家の大野憲司さんです。
城跡と言っても、当時の建物などが残っているわけではなく、何気なくしていれば普通の森にしか見えません。
だけど気を付けて周りを見てみると、色々なものが見えてきます。まさにプロの目!
そんなプロの目を通して、中世の日本へと行って参りました。

まず、1228年に戸沢兼盛氏によって築かれたと言われている『門屋城』

門屋城あと鳥居

現在は神社が建てられており、鳥居をくぐって入ります。

門屋城あと看板

ちゃんと看板もたっています。結構急な階段を上ると

門屋城景色

いい景色。本丸跡候補地の一つから眺めています。ここには三獄神社のお社があり、階段近くでわかりやすいです。
しかし今日は大野さんの案内で奥まで進んでいきます。
森の中をざくざくと進むと、急な斜面が現れます。

切岸

植物が生えていて少しわかりづらいかもしれないですが、手前から奥へと急斜面があるのが見えるでしょうか。
これは自然のものではなく、“切岸”と言われる敵の侵入を防ぐために人工的に作った急斜面だと考えられています。
この急斜面は元々あった緩い斜面を掘って作られたと考えられているのですが、その掘った土は斜面のすぐ脇に盛られています。

門屋城あと

右側の人が歩いている所が、左の部分よりも少し盛り上がっています。このさらに右側に先ほどの切岸があります。
急斜面の高さを更に高くしている“土塁”と呼ばれる壁です。大事なお城を守っていたんですね。
このような守るための工夫がたくさんあります。
少し違う場所にも急斜面が。

切岸

これを下から眺めるとこんな感じです。

いぬばしり

かなり急斜面。今は木や草が生えていますが、当時は土と岩だらけだったと考えられており、そうなると足を掛けるところや捉まるところがありません。
これを登れと言われても、簡単にはいかないですね。
次は両方が急斜面になっている“堀切”です。

堀切

通りやすい尾根筋を断ち切るように掘って、谷のようなものを人工的に作っています。
それにしても右となV字型。このような形のものは“薬研堀”と言われそうです。
薬研とは、漢方薬など作るときに薬草などをすりつぶすための物で、その形に似ているから薬研堀と呼ばれているそう。そういわれると、時代劇などで見たことがあるような。
V字の所にはかなり大きめの石が。

石

なんと、敵にぶつけるものだったと考えられているそうです。
こんな大きなのが当たれば、ひとたまりもないですね……。

さて、次は『古堀田城』です。
ここはいつ築かれたのかわかっておらず、戸沢兼盛がご隠居していたお城ではないか、と考えられているそうです。
ここのお城跡にも、先ほどのような切岸や堀切など、お城を守るための凹凸がたくさんありました。
その中でも特徴的だったのがこちらの“畝状空堀群”。

畝状空堀群

ちょっと写真だと分かりにくいかもしれないですが、真ん中の光が当たっている部分が盛り上がっていて、その奥の部分も盛り上がりがあります。
このような畑のうねのようなのが20個くらい並んでいます。
これらはお城があったとされる方向に向かって作られており、敵に横移動を防ぐためのものとかんがえられているそうです。
確かに、こんなに矢や石などで狙われたら避けれない……。

次は『角館城(古城山)』です。

角館城

入り口に看板も立っています。
入ってみるとなんだか道がカクカクしています。
奥から入り口をみると、こんな感じです。

角館城みち

黄色い線を付けたところが道です。
これも敵からお城を守るための工夫で、この写真を撮っている所から敵の側面を狙って矢を撃っていたと考えられています。
またこのお城は大きな3段の切岸も特徴的です。

3段切岸

切岸と切岸の間の通路のような場所を進んでいきます。
右側に急斜面がうつっていますが、この左側にも更に下に向かって急斜面が続いています。
このような場所を通りつつ上っていくと

角館城本丸

頂上到着です。眺めがすばらしい!
ここがお城があった跡地と考えられており、大きな姥杉と呼ばれる杉が立っています。

姥杉

戦前のものと思われる写真にも、写っているそうです。
いつからここにいたんでしょうね。色々なものを見てきたのかなー。

さて、この角館城ですが、もう一つ特徴的なのがこれです。

堀切

先ほど書いた堀切と同じように尾根筋を切っているのですが、ほぼ直角に掘られています。
このような段が一つの尾根筋にたくさんあり、階段状になっているそうです。
階段と言っても登りやすいものではなく……

階段状

下から見るとこんな感じです。
やっぱり敵からお城を守れるようになっているんですね。

昔は重機もないしセキュリティシステムもありません。
それでも、上手く自然と融合し土地を最大限利用して、大事な人やものを守っていたんですね。
ただ、上手く自然を融合しているからこそ、建物などがなくなってしまった現代ではそれらを見つけるのが難しい、というのを実感しました。
本当に人が作ったものなのか、それともたまたま自然がそうなっていたのか……。

大野さんが下さった資料に、そのヒントとなる言葉が書かれていました。

『守るべきもの(ところ)が内側にあって、その外側に、守るための施設がある。
このいづれかが無ければ、いくらそれらしいところがあっても、そこは城館ではない』

守るものと守られるもの、その二つがそろってこそ、そこがかつてお城があったのだといえるんだというのが印象に残っています。
お互い色々なものを守るために戦いあっていた時代。
今の日本に住んでいたら感じられない空気を感じることができた1日でした。

でも、案内してくださる方がいたからこそ、中世の世界を感じながら歩けたものの……もしなにも知らずに来たら普通のハイキングで終ってしまっていたと思います。
やっぱりプロの目ってすごい。

今日案内をしてくださった大野憲司さん、城跡を歩きたい人がいればいつでも案内しますよ、と言ってくださいました。
伝えていく、というのはとても大事なことですが、同時に大変だろうな、とも思います。
そんな大事なことをできる人は、やっぱりすごい人です。
とても優しくわかりやすく解説してくださり、本当にありがとうございました。

今日も長々と書いてしまいましたが、読んでくださりありがとうございました。
ちょっと中世までタイムスリップしてきたゆっこでした。
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Author:湯沢市ジオパーク推進協議会事務局
世界ジオパーク認定登録を目指して日々活動している「湯沢市ジオパーク推進協議会」事務局です。

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