湯沢市ジオパーク推進協議会は、秋田県湯沢市の「世界ジオパーク」認定登録に向けて、日々奮戦中です。
ゆざわジオパークのいろいろな情報や事務局の日々の感想をつづるブログです。

ミラーマン 院内銀山を行く 御幸坑編

2016-01-14

今回は、五番坑へ入るためには、必ず通らなければならない、
《山方役所》について、絵図面をもとに詳しくご案内いたします。


まず、先回もご案内しました、《山方役所》の平面図から再案内します。
山方役所平面図

近世後期の主要坑口であった五番坑口(のち御幸坑)の傍にあった「山方役所」の指図
(図参照、小貫家文書412号、46×31cmの指図)である。
これによれば、
第一に、山方役所は(桁)「行間九間」(庇分五尺を除く)の建物であった事が記述されている。
梁間は絵図から五間(庇分前後各五尺を含めると六間四尺)かと判断される。
三方に庇の間を含めた空間が設定されており、
坑口出入り口と役所出入り口のある表間口側は格子作りであった事が判明する。
 第二に、山方役所に金名子荷の「金場」(選鉱場)が併置していた点が注目される。
前述の山内絵図では、(この絵図は下の絵図で、拡大しています。先回も案内しました。)

拡大2
「床屋」(銀精練所)の所在は判明するが、金場の建物が見当たらず、
この指図によって、金場が山方役所建物内に併置していた事が明確となる。
もっとも、この金場でどの程度まで選鉱したのか問題となろう。
図には「金名子引替四拾三人、荷分ケの節、働之者手廻之者女五六拾人詰働場処」と記述されており、いわゆる「からめ」の選鉱であった可能性が高いのである。
 第三に、山方役所の機能が、その建物図からも読み取ることができる。
山方役所は広く坑内労働にかかわる坑内普請(採鉱・水抜き・煙抜き坑道の掘削、坑道補修)、採鉱、排水労働等の生産・労務管理を行う部門であり、
金掘りの出入り坑や採掘した鉱石・ずりのチェックもここで行われた。
建物の表と出入り口が坑口側にある点も留意しておきたい。
 第四に、これと関連して、山方役・横目役の手代が詰めた部屋(二間×二間)の配置はじめ、建物内外における具体的な様相をよみとることができる。
坑口への出入り口と役所出入り口は分けられ、
坑口から山方役所へ通じる両脇と奥には棚が施設され、
同役所でのチェック機能を十全ならしめた。
表間口は格子作りで、格子越しに坑口出入りを監視できた点も留意したい。
「補内出入口」から役所に入ると、正面に産出鉱石を改める処があり(二間×二間)、
また、出入り口左手には坑内出入りの人数や時間を改めるところ(二間×九尺、水時計の存在は興味深い!)であり、立会の金名子が昼夜詰めていたことが判明する。
坑内出入り口正面の「土間」(四間×九尺)には、金掘りの入坑待機の空間もあった。土間にて待機していた点に金掘の地位と時代性を感じることができる。
山方役・横目役手代の詰間の奥にある部屋は、勘定事務や坑内普請策等の執務所(二間×九尺)であり、
その奥には、山方関係の帳面や測量道具などが保管された庇の間(二間×五尺)もあったことがわかる。
また、「毎朝町頭・金名子詰番割申会処」や「諸遣之者并二掘子頭・樋頭・小頭詰居所」の部屋、「出○改処・秤場」「御普請山色置所」の空間も確認できる。
 一葉の建物図から、われわれは鉱山の支配の具体的様相を垣間見ることが出き、同時にそこに働く人々の姿をも想像しうるのである。


五番坑口の傍にあった「山方役所」の指図(「会誌」18号より 
幕末院内銀山における役所の建物図について  
高知大学教授 荻 慎一郎 より)
 《会誌発行二十周年特集号 院内銀山(第二十一号)院内銀山史跡顕彰会より》


今回は、これで終了いたします。
ごきげんよう、さようなら。
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Author:湯沢市ジオパーク推進協議会事務局
世界ジオパーク認定登録を目指して日々活動している「湯沢市ジオパーク推進協議会」事務局です。

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