湯沢市ジオパーク推進協議会は、秋田県湯沢市の「世界ジオパーク」認定登録に向けて、日々奮戦中です。
ゆざわジオパークのいろいろな情報や事務局の日々の感想をつづるブログです。

自己紹介④

2017-11-26

こんにちは,お米まいすたぁです.
休日いかがおすごしでしょうか.
私は未だ環境に慣れておらず,休日はぐったりしていますorz

自己分野紹介④:トップダウン栄養カスケードについて
(査読コメントへの返信やらゲラチェックやらで時間がないので,出来るだけ端的にまとめます…)

今回「ラッコ」を主軸に説明していきます.

ラッコは可愛さ故に多くの人々に愛されています.しかし,時代を遡ってみるとむやみに捕獲された時期がありました.
その理由は単純で,1,海の幸を食い荒らすんじゃないかという疑念があったこと,2,毛皮が高く売れること,これら2つが相俟って,乱獲へと繋がったんですね.
また,ラッコの乱獲に対し,当時の人々は「ラッコが一掃されれば漁獲量がもっと増えるぞ!!」と,高い期待も寄せておりました.

ところが,不思議や不思議.期待とは裏腹に,ラッコの乱獲は”魚介類を軒並み激減”させました.

何故漁獲量が低下してしまったのでしょうか?
この現象を解き明かす上で重要となるのがラッコの餌である「ウニ」の存在です (図i).

ラッコは多様な魚介類を食べる捕食者ですが,
餌の中でも優先して食べるもの,そうでないものがあり,ウニは積極的に食べる餌資源の一つとして知られています.

ラッコ乱獲により,ラッコからの捕食を免れたウニ.
それらはケルプ(コンブ)を食べながら順調に数を増やしていき,最終的には辺り一面のケルプを食べ尽くしました.
ケルプは多くの海棲生物にとっての産卵場であり隠れ場,,ケルプのないところに多様な生物が定着するわけがありません.
次第に魚,カニ,貝が遠のいていったというわけです.

以上が,漁獲量低下のメカニズムです.
逆説的に捉えれば,乱獲前のラッコは①ウニを捕食する間接効果としてケルプを増やし,②多様な生物を育んでいたと言えます (図ii) .

なお,それぞれの現象を生態学的な言葉で言い表すと,
・①上位栄養段階の捕食者(ラッコ)が下位栄養段階の一次生産者(ケルプ)に及ぼす影響 → トップダウン栄養カスケード,
・②生物群集を劇的に変化させるラッコのこと → キーストーン捕食者
と呼んでいます.類似する現象はラッコ-ウニ-ケルプの関係に限らず,自然界でよく発生することが知られています.

駆け足で説明しましたが,生態学の魅力,少しでも伝わりましたでしょうか?
次回は光競争についてお話します.それではまた.

お米まいすたぁ

WS000001.jpg


脚注:ラッコがケルプを体に巻き付ける写真が出回っているので,ケルプの多いところにラッコがすむと思われがちですが,
実は因果関係が逆で,ラッコがいるからケルプが多いんですね.

プロフィール

湯沢市ジオパーク推進協議会事務局

Author:湯沢市ジオパーク推進協議会事務局
世界ジオパーク認定登録を目指して日々活動している「湯沢市ジオパーク推進協議会」事務局です。

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