湯沢市ジオパーク推進協議会は、秋田県湯沢市の「世界ジオパーク」認定登録に向けて、日々奮戦中です。
ゆざわジオパークのいろいろな情報や事務局の日々の感想をつづるブログです。

全国大会前のジオツアーin三笠

2018-10-19

ゆっこです。
少し時間が経ってしまいましたが、北海道アポイ岳ジオパークで開催された日本ジオパーク全国大会の前に、三笠ジオパークで開催されたジオツアーへ参加しました。
今回のジオツアーは、教育について色々話し合う「教育分科会」という少し緩い会議のようなものに連動していて、三笠ジオパークで実際に行われている学校教育でのプログラム、社会教育でのプログラムを体験しよう、という趣旨のジオツアーでした。

早速1日目。
最初は三笠市立博物館の見学です。
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大きいアンモナイト。これはさすがに模型ですが

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こちらは本物。でかいですね。
三笠市の博物館は、アンモナイトの化石展示でとても有名なんです。
アンモナイトは、まだ恐竜がいた時代の白亜紀という時代にすんでいたそうですよ。

その時代の食物連鎖の頂点に君臨していたのが、こちら
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少し見切れていますが、口をぱっかりあけている動物が見えるでしょうか。
モササウルスと言われる動物で、今の動物だと蛇に近いそうです。得物丸のみ。
ただ、大きいものは大型バスくらいの大きさだったんだそうです。
そんな動物が泳いでいる海は、ちょっと怖いですね。

この日はちょうど特別展を行っており、そちらも拝見しました。
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「せいめいのれきし」という本をご存知でしょうか?
その本を題材として、様々な展示が行われているのです。
こちらの本、60年ほど前に初版が出版されたそうなのですが、60年の間に生命の深化などの通説が変わり、それに合わせて2016年に改訂版が出版されたんだそうです。
アンモナイトの専門家である学芸員さん絶賛の本でしたので、ご興味がある方はぜひ。
ちなみに、絵本でとても読みやすく、絵も細部までこだわって描かれているそうですよ。

さて、三笠市の大地の歴史の後は、近代の人々の歴史です。
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三笠市の発展で外すことが出来ないのが、石炭の発見と発掘です。
石炭を発掘していたことにより、様々なものが発展しました。
実は、北海道で機関車が一番最初に導入されたのが、三笠市だったそうです。
当時三笠市の石炭は日本にとってとても重要視されていたんですね。
その石炭の発掘が盛んにおこなわれていた時の道具などが展示されています。

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こちらは、坑道の中を照らすライトだそうです。
ライト置き場には、それぞれ名前が書かれており、安全や出社を確認するのにもつかわれていたそうですよ。

色々と拝見しつつ、博物館を見学した後はお昼ご飯。
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ジオ弁三笠ジオパークバージョン。

説明書だってついています。
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三笠の地層を表している、三色ご飯が面白いですね。
ちなみにアンモナイトの化石はホタテで表現されています。
美味しくいただいた後は、博物館の外にある「野外博物館」の見学です。

野外博物館には往復60分くらいの遊歩道で、遊歩道のあちらこちらに三笠市の大地や人bとの歴史を知ることが出来る場所が点在しています。
それを自分の足で歩きながら実際に見ていきます。
詳しく知りたい方は、三笠ジオパークさんのHPをご覧ください。

ここではさらさらっとご紹介。
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こちらは野外博物館の見学場所には指定されていないのですが、メタセコイヤの木。
生きた化石と言われるほど、むかしむかしから生息している植物です。
ゆざわにも、院内地域でみることができますね。
このようなメタセコイヤなどが大昔、地層の中に取り込まれ、長い長い年月を経て化石になったんですね。

お次はご案内頂いた三笠ジオパークの下村さんより、クイズです。
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三笠市で石炭が発見されたきっかけはなんでしょう?
子供たちようとのこともあり、三択クイズでした。
正解は、ここに気を切り出す森林鉄道があり、その作業中に山で石炭を発見した、でした。
他の選択肢は忘れてしまいましたが、私はまんまと間違えました。

さて、次は川の対岸に注目です。
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写真が上手ではないですね。
石炭の層は幾春別層という名前がついているのですが、それが見える場所なのでした。
ちなみに、石炭は他の石と比べると比較的柔らかい石です。
ということで、そこだけどんどん風や雨に削られるため、少し石炭がある部分は凹んでしまうそうです。

こちらは旧幾春別炭鉱錦立坑櫓と言われるもので、地下から石炭を取り出すためのエレベーターのような部分です。
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ちなみに、上手く写真に撮れなかったのですが、この竪坑やぐらの鉄の部分を見てみると、福岡県の八幡製鉄所から来た印が入っているんだそうです。
九州から北海道へこんな大きな鉄を運んだんですね。
やっぱり、三笠市の石炭はとても重要だったことが分かります。

さて次は旧錦坑坑口です。
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先ほどの旧幾春別炭鉱錦立坑櫓、地下から石炭を運んでくると書きましたが、その引き上げた石炭はこの坑口から取り出していたそうです。
今は入り口は閉鎖されており、水が流れ出ています。なんとなく、硫化水素の臭いがしたりも。

次は実際に石炭を拾うことが出来る場所。
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持って帰ることはできませんが、小さな破片が落ちているので、手に取ってみることが出来ます。
実際、石炭は元植物だからなのか、他の石に比べて軽いです。そういうのも、実際に手に取ることで体験できるんですね。

そして、ついに石炭の層、幾春別層をまじかに!
ここの地層の特徴は、垂直になっていることなんです。
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とはいいつつ、写真の向きが上手くいかない・・。
一緒に写っている人の向きで見て頂きたいのですが、同じような石でできている部分が垂直方向に続いています。
一般的に、地層と言われるものは、重力で降り積もって堆積するので、同じような石は水平方向に続くような形でできます。
ここの地層がなぜ垂直方向なのかと言うと、元々水平方向だった地層が大地の動きでぎゅぎゅっと押されて、大きくぐにゅーと曲がって、というようなとても大きな力で大きな大地の変形がおこり、垂直方向になったんだそうです。
その変形が、北海道の形成にも関わっているとのこと。

次は狸掘り跡といわれる穴。
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一般的な狸彫り跡と言うと、上下左右の色々な方向に掘られており、本当に狸の巣穴のような形になるんだそうですが、三笠の石炭の層は垂直に続いています。
なので、この穴も比較的垂直に掘られているんだそうです。
なぜここに穴が掘られたのか、ためし彫りなのか、地域の人が家庭用に掘っていたのかはわからないそうです。

そしてここが、ひとまたぎ5千万年
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地層と言うのは、一般的には水中で堆積して石になります。
陸上ではどうなのかというと、どちらかというとたまるよりも削られる方が多いのです。
そのため、陸上にいる時間が長ければ長いほど、地層はどんどんなくなっているのです。
ここは、そのようにして5000万年分の地層がごっそりとない場所なんです。
ということで、ここをまたぐと5000万年前の地層から、1億年前の地層へタイムスリップ。

タイムスリップした地層は、三笠層と言われる地層です。
博物館でたくさん展示されていた、アンモナイトの化石が含まれている層ですね。
アンモナイトの化石以外にも、こんな化石も。
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イノセラムスと言われる二枚貝だそうです。
洗面器くらいありますね。アンモナイトだけではなく、貝も大きかったんですね。

そして神泉隧道というトンネルをくぐります。
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ご覧の通り、地層がむき出しです。
ここの地層は崩れてくる心配がないほど固いんだそうです。
同じ堆積岩でも、ゆざわの三途川層とはすごく違いますね。

などなどを見学すると、野外博物館は終了です。
三笠市の歴史を一気に知ることが出来る、とても貴重な遊歩道ですね。

歩き終ると、少しバスで移動です。
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こちらは旧奔別炭鉱。
非常に大規模な立坑櫓があります。
なんと地下深度735mから石炭を引き上げることが出来るんだそうですよ。
これができたことで、三笠での炭鉱がより一層発展することが期待されていたのですが、完成からわずか11年で閉山してしまうのです。
原因の一つとして、炭坑内の温度が暑すぎて働くのによい環境ではなかったことが言われています。
ちなみに、地面の下は深くなればなるほど熱くなっていき、一般的に葉100m負亜区鳴門3℃高くなると言われています。
単純計算で、20度以上気温より暑かったわけで・・そんな中で力仕事は確かに厳しいですね。

近くにはホッパーと呼ばれる施設もあります。
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ここでは蒸気機関車の上から石炭を下ろし直接積むことが出来るようになっているんだそうです。
11年しか稼働しなかったとはいえ、本当にすごい施設ですね。

ちなみに、櫓のこの部分、
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ワイヤーがまだ残っているのって、珍しいんだそうですね。
なんとなく、哀愁がただよう独特の雰囲気があります。

さて、1日目はこれで終了。
参加者の方と意見交換をしたり、三笠ジオパークの教育活動の取り組みなどをご紹介いただきました。

そしてまだもう少し続きます、2日目。
この日は社会教育分野、要するに大人の皆さまにも楽しんでいただけるようなプログラムを紹介してもらいました。

まず向かったのは、新桂沢ダム工事現場。
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桂沢ダムは約60年前に建設され、洪水の防止、農業用水や生活用水の安定した確保、発電といった役割を果たしてきたそうです。今、堤体を11.9mかさ上げする工事が進められているのです。
これによって貯水容量が約1.6倍増大するそうですよ。
貯水量が増えると、今の機能に追加して、流水の正常な機能の維持や工業用水の安定した確保などが可能になるそう。
工事に使用するコンクリートの原料は、近くの原石山と呼ばれる採石場から取ってきています。

ということで、その原石山へ。
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おおー、地層。
約60年前の桂沢ダム建設時もここから岩石が採石されたそうです。
地層の名前は、アンモナイトやイノセラムスの化石が出てくると紹介した三笠層です。
採石場は稼働中で重機が動いていましたが、100mほど露頭を観察しながら歩くことが出来ました。
地層が傾いているため、様々な時代の地層を見ることが出来るんですよ。
地層が違うということは、海底の変化や海水面の上下などがあったということで、色々と想像を掻き立てられる場所です。

さて、休憩途中には三笠高校生レストランに立ち寄りました。
くわしくはこちらをご覧ください。
残念ながらこの日は平日授業中でしたのでレストランは空いていませんでしたが、カフェやお土産屋さんは空いていました。
そんなお土産屋さんにおかれているこちらの日本酒。
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実は、湯沢市の酒蔵さんで造られたものなんです。
この高校生レストランが出来る記念とジオパークの交流の記念として作ってくださった日本酒「三笠山」。
三笠ジオパークへ行かれた時には是非ご賞味ください。

そして最後は山崎ワイナリーさん。
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三笠で4代続く農家さんが経営しているワイナリーです。
山崎ワイナリーさんでは、自分たちで作ったブドウだけを使ってワインを作っています。
ブドウはその年の気温や風の強さなど、環境によって少しずつ品質が違っていおり、そのようなブドウだけを使っているため、山崎ワイナリーさんのワインにはその年の三笠の環境が詰まっているんですよ、という説明がありました。
そんな風に考えながら、ワインを飲んだことなかったなあ。

この日の見学はこれで終了。
この後、1日目と同様に意見交換会などを行い、全国大会へ参加すべく三笠市を後にして様似町へ向かったのでした。
三笠市のみなさま、ほんとうにありがとうございました。
プロフィール

湯沢市ジオパーク推進協議会事務局

Author:湯沢市ジオパーク推進協議会事務局
世界ジオパーク認定登録を目指して日々活動している「湯沢市ジオパーク推進協議会」事務局です。

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