湯沢市ジオパーク推進協議会は、秋田県湯沢市の「世界ジオパーク」認定登録に向けて、日々奮戦中です。
ゆざわジオパークのいろいろな情報や事務局の日々の感想をつづるブログです。

ヒメタニシの表現型可塑性

2019-01-31

豪雪で外に出れず、座りっぱなしで足がむくんでいるお米まいすたぁです。
足がむくむくだよ^^;

さて、ここ数ヶ月、私にとっては、閑散期 (?) で暇 (?) を持て余しているわけですが 、次年度に備えて、専門的な知識を学ぼうと頑張っています。

そんなわけで、先日お話した「高倉耕一・西田隆義著 繁殖干渉」を一読しました。「繁殖干渉」という言葉がわからない人は以前のブログを見てくださいね。簡単に言うと種間のセクシャルハラスメントです。

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「西田隆義著 天敵なんてこわくない」や「鈴木紀之著 すごい進化」も人生で一度は読むべき良書と感じましたが、
今回の本もとても素晴らしいと感じました。

本土やしまなみ海道付近におけるイヌノフグリ、オオイヌノフグリの生態(分布パターンや形態など)およびそれを形づくり繁殖干渉の存在を知ることができたのはもちろんのこと(高倉耕一先生の章)、今まで不明瞭とされたヨツモンマメゾウムシとアズキゾウムシの種間関係を繁殖干渉の理論を用いてうまく紐解いた話 (あいのりのハカセこと岸茂樹さんの章) を読めたことも、特に有意義に感じました。

また、鈴木紀之さんの表現型可塑性と繁殖干渉との関連性の話も良かった。
表現型可塑性というのは、同じ遺伝子型から環境条件の違いによって異なる表現型が生じる仕組みのことを指しますが、
どうしてそれがあるのかを、今までの理論に加え、繁殖干渉の理論を組み合わせることでうまく説明していました。

私も、(ヒメタニシの)表現型可塑性の存在については、昔から疑問を呈しておりまして、それが、今回の本により、解釈できる気がしました。以下、ヒメタニシの表現型可塑性が引き起こる原因の予想です↓

日本の水田、水路には在来のマルタニシと外来のヒメタニシが生息しています。
両種ともに繁殖干渉を介した関係を持ちますが、とりわけヒメからマルへの悪影響が強く、マルの分布が追いやられていると考えています(結果、絶滅危惧種になっている)。ただし、マルはヒメよりもずっと耐乾性があり、マルは、タニシにとり劣悪な環境とも言える「乾田」で生息しています。

ではなぜ、ヒメはマルよりも繁殖干渉の面において強いのか、その答えが、”表現型可塑性”だと考えています。

両種の分布は基本、重ならず、相互関係の観察は困難ですが、極稀に両種が出会う場所があります、それが水田に直結する「水路」です。繁殖干渉は、強い負の種間相互作用ゆえに、それに付随する現象の観察は困難とされていますが、両種分布の”境界面”においては観察できることがあります。境界面とされる水路では、ヒメが優占し、ごく稀に水田からのマルの入り込みが観察できます。

水路におけるヒメは自身の殻てっぺんを欠けさせ、体サイズをより小さくすることが知られていますが、適応度に悪影響を及ぼすとされるマルからの繁殖干渉の影響を減らそうとする効果として、こうした可塑性が働き、自種の種認識を高めると同時に、マルからのハラスメントを妨げるのだと考えました(小回りが利くのですぐに逃げれるなど…ですね。両種の体サイズが1.3倍以上離れると種間の”交配”は生じないので、交配に至る前のなんらかの干渉を妨げる効果があるのかもしれませんね)。

ご理解いただけましたかね、とはいえ、推測の域を脱しませんので、これを機に新たな実験をしてみたいです。
実験デザインに関しては、3月に会う西田先生、岸さん、紀之さんと相談ですね。
議論する相手がいなかったのでホント楽しみ。

トウホクサンショウウオ-クロサンショウウオ、マルタニシ-ヒメタニシ、タヌキラン-ヤマタヌキラン、オオホウキゴケ-チャツボミゴケ…ゆざわジオパークには繁殖干渉を探る上での良い実験材料がたくさんあって楽しいです。
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Author:湯沢市ジオパーク推進協議会事務局
世界ジオパーク認定登録を目指して日々活動している「湯沢市ジオパーク推進協議会」事務局です。

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