湯沢市ジオパーク推進協議会は、秋田県湯沢市の「世界ジオパーク」認定登録に向けて、日々奮戦中です。
ゆざわジオパークのいろいろな情報や事務局の日々の感想をつづるブログです。

「雪害」は災害

2019-11-07


皆さん、こんにちは。
イトケンです。

11月に入り、湯沢はますます寒くなってきました。
ラグビーワールドカップの決勝が終わったためか、一段と祭りの後のような寂しさを感じています・・・。
まあ湯沢はラグビーと関係なかったのですが・・・。

南アフリカは強かった!
次回のフランス大会も盛り上がると良いですね。

さて、今日は冬がすぐそこまで来ているということで、湯沢と切っても切れない「雪害」について考えたいと思います。

雪害は、文字通り雪による被害のこと。

ご存知の通り、湯沢は「特別豪雪地帯」に指定されるほどの場所ですが、
湯沢の人曰く、災害といえば「それくらい」とのこと。

地震も台風も来ないから安心だよ、と言われることもあるのですが本当でしょうか。
消防庁のデータをもとに、近年よくみる風水害の被害と雪害の被害を比較してみました。

結論から言うと、ここ10年の国内での死者数は「雪害によるもののほうが多い」です。

この10年の死者数の合計は、雪害が794人風水害が748人でした。
(筆者注:風水害の死者数のうち、2年分のデータに行方不明者数を含んでいますが、死者数とほぼ同等と考えました。)

多くの人々が犠牲となった昨年の7月豪雨(西日本豪雨)や一昨年の九州北部豪雨などの
死者数を合計しても実は雪害による死者数の方が多いのです。

グラフ1が雪害のもの、グラフ2が風水害によるものです。

graph01.png
グラフ1:ここ10年の雪害による被害。黒字が死者数、緑字が住家被害数。


graph03.png
グラフ2:ここ10年の風水害による被害。黒字が死者・行方不明者数、青字が住家被害数。

どちらも棒グラフ(左軸)が死者数、折れ線グラフ(右軸)が住家被害のうち全壊と半壊を合計したものです。

雪害による被害は、毎年一定の死者がでていることがわかります。
日本海側の降雪量が少なかった2015年でも27名が亡くなっており、風水害の死者数で最も少なかった同年の15名を超えています。

一方で住家被害は大きな違いがあります。

風水害の被害では毎年600棟以上の住家が全壊もしくは半壊をしています。
多い時には2万棟近い住家が被害にあっています。

反対に雪害による住家被害は少なく、多くても70棟ほどとなっています。

風水害では短時間に広範囲で大量の水に襲われるため、多くの住家に被害を与えるのでしょう。
そのため住家の被害を防ぐことは難しいですが、早め早めの避難をすることで風水害から命を守ることにつながると思います。

その点からみると、雪害は短時間に広範囲で大量の水(雪)に襲われるという意味では同じですが、
風水害に比べると災害発生中に水(雪)を「除去できる」ことが大きな違いでしょう。

しかし、「除去する」ことがある程度可能な災害だからこそ、風水害による死者と異なる傾向がでています。
それは除去中、つまり「除雪作業中」に亡くなった人が大変多いということです。

グラフ3をご覧ください。

graph02.png
グラフ3:雪害時の死者数と、「除雪作業中」に亡くなった人数と「65歳以上」の人数。

一番左の赤い棒グラフが死者数(グラフ1の死者数と同じ)、
青い棒グラフがそのうち「除雪作業中に亡くなった人数」、
オレンジ色の棒グラフが死者数のうち「65歳以上の人数」を表しています。

一目瞭然ですね。
雪害の死者というのは、その多くが除雪作業中、そして65歳以上の人なのです。

つまり、本来は注意さえすれば防ぐことができる被害だということ。

自然災害による被害をゼロにすることはできませんが、この雪害に関しては
被害を減らすことが可能」なのです。

しかし、グラフを見るとここ10年で死者数の大きな減少は無く、まだまだ周知不足だと考えることができます。
ただ、地方の高齢者が雪かきをしたいと思っているのではなく、若い人がいないため仕方なく除雪している現状もあり、
より効果的な注意喚起を模索しつつ、IoTなどの新技術の導入も合わせて進めていく必要があるかと思います。

ちなみに秋田県内でも、ここ3年だけですがデータをみると毎年5人以上が亡くなっています。
負傷者も県内全体で100人前後、湯沢市内でも10人前後が毎年のようにでています。

今年もまもなく冬がやってきます。

「自分は大丈夫」と思わず、しっかり命綱を付けるなどして
自分の身を守りながら、雪と格闘していただけたらと思います。

私も初めての湯沢の冬なので、「いのちだいじに」作戦でがんばりたいと思います。

イトケン

<出典>
・総務省消防庁「消防白書」の平成22年版から平成30年版の中の
  第1章「災害の現況と課題」、第5節「風水害対策」、「風水害の現況と最近の動向」
  第8節「その他の災害対策」、「雪害対策」、「1 雪害の現況と最近の動向」
  
・総務省消防庁「今冬の雪による被害状況等」の平成22年から平成30年

・秋田県の「雪による被害状況等について」の平成29年から令和元年

プロフィール

湯沢市ジオパーク推進協議会事務局

Author:湯沢市ジオパーク推進協議会事務局
世界ジオパーク認定登録を目指して日々活動している「湯沢市ジオパーク推進協議会」事務局です。

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