湯沢市ジオパーク推進協議会は、秋田県湯沢市の「世界ジオパーク」認定登録に向けて、日々奮戦中です。
ゆざわジオパークのいろいろな情報や事務局の日々の感想をつづるブログです。

れんこしずのお話

2012-04-18

こんにちはm(_ _)m

ここ数日は、よく白鳥の群れが湯沢の田んぼから飛び立つ様子を目にしますね。
県外に出てみるまでは、白鳥と言えば冬場ならありふれた鳥だと思っていたのですが、
ちょっと南の方に行くと、こんな群れで白鳥を見る機会なんて中々ないということを実感しました。

僕たちの暮らしと白鳥たちが身近にあるということも、この地域の魅力の一つではないでしょうか。

白鳥(山田)_convert_20120417132530
山田の田んぼで羽を休める白鳥の群れ


さて今日も前回に続いて、ジオサイト候補地 山田の魅力をお伝えしたいと思います。

名称のある湧水地が29箇所もある、水の豊かな湯沢ですが、
その湧水地のひとつに数えられている、堂ヶ沢集落のれんこしずにまつわる昔話をお話します。

れんこしずは、山田小学校方面から堂ヶ沢集落に入ってすぐのところにあり、
集落の民家の間で静かに水をたたえています。

れんこしず(堂ヶ沢)_convert_20120417135418
れんこしず(堂ヶ沢集落)

それでは、『山田の民話集』武石正一編(山田の歴史を語る会発行、1985.5)
「れんこしずの話」より、一部を要約して引用させていただきます。

ちょっと長いですが、どうかお付き合いくださいm(._.)m


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昔むかし、村に甚兵という長者がおりました。
甚兵には蓮子という一人娘がおり、それは器量がよく気が優しく、
ここら近辺の村では評判の娘っこで、若者たちのあこがれの的でした。

村ではもうとり入れもすみ、あっちこっちで、来年は申年だなどと縁起をかつぎ、
嫁婿が行ったり来たりして大変なにぎやかさでした。
しかし蓮子には恋人がいなかったので、長者は困ってしまいます。
そこで、長者は自分の家で宴会を開き、村のみんなを呼んで
余興として相撲をとらせたり、歌や踊りを披露させたりして、
蓮子の目にとまるような若者を探そうとしました。

すると、東作と作吉という二人の若者が、ほかの者よりずば抜けて優れているのがわかりました。
この二人は大変仲が良く働き者で、時々長者の家にも稼ぎに来ており、村の娘たちの噂の種でありました。

ところが、実は前々から蓮子はその二人のことが好きだったのです。
長者がどっちか決めるといっても聞きません。
またもや長者は困りましたが、今度は村の若者たちを集め「長はしり」大会を行い、
それで一等になった者を娘の婚約者とすることにしました。
走路は堂ヶ沢を出発して中屋敷、深堀に向かい、そこから二井田、荻生田、六日町を通り、
上ノ宿、土沢とかけて堂ヶ沢に戻って来る、というものでした。

さて長はしりの当日はすっきり晴れあがった良い秋日和、一等は長者の婿さんになれて、
きれいな一人娘の副賞付きということで大変なさわぎ。おれこそは、われこそはと意気さかん。
びっくりしたのは村の娘たち。朝からそわそわして落ち着きがない。神様仏様にお参りする娘もある。
「どうぞ神様、私の彼だけは勝ちませんように。絶対負けさせてください。」
これには神様も困ったことだったでしょう。
また集まってはがやがやと予想や男たちの評判に花を咲かせております。

いよいよ出発。若者たちは「てっぽ肌っこ」に「もも引き」姿も軽々しく、
足にはワラジをつけた者、布切れをまきつけた者、ハダシの勇ましい者と一斉に出発点に並んだ。
厳正なる審判長はお寺の和尚さん。手ぬぐいのハチマキに白いおひげをなびかせ、
大太鼓をうちならして出発合図、それっとばかりに若者たちは飛び出しました。

事情を知った村々では時ならぬこの長はしり競争に大喜び、老いも若きもみな道ばたに出て応援。

東作と作吉は長はしりでも抜群、先頭集団に二人仲良く肩を並べて二井田の村に入って来た。
ところがそこで応援に出ていたじいさまに、自分たちより先にいないかと聞くと、
なんともう六日町あたりまで行った者がいるという。
二人はびっくり仰天、負けてなるものかとスピードを上げて追っかけたが、
六日町の村はずれに来ても先を走っている者の姿が見えない。
それにしてもおそろしく速いやつがいるものだ。上ノ宿もとっくに通りこしただろうか。
ついに二人は勝負を諦めてしまいました。

さて競走も終わり、和尚から成績が発表された。
「只今より厳正に成績を発表する。一等お下小路の虎蔵。線香四本と三分の一、
ただし右の者上ノ宿、土沢を通らず、六日町からまっすぐ裏道を通って来たるはふとどきなり。
よって失格とする。次に二等、東作と作吉、線香五本、ただし一等が失格につき右の二名を一等とする。」


一等は失格で、勝負を諦めた二人は一緒に到着してしまっていたのです。
これにはまたしても、長者は困り果てました。
蓮子も先ほどまでの期待に満ちたまなざしはどこへやら、
しょんぼりとしょげ返り、はてはうわんうわんと泣き伏してしまいました。

その泣いて泣いて泣き続けたところが村はずれの大きな杉の木の根元でした。
いつまでも泣き続け、涙を流し続けたため、そこが涙で掘れて泉になったと伝えられております。

村の人たちは蓮子をどんなにあわれに思ったことでしょう。
それからこの泉を「れんこしず」と言うようになりました。
今でもこの泉にはこんこんと冷たい清水が湧き出ており、昔むかしの伝説を今に伝えております。


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めでたしめでたし…というわけではありませんでしたが、面白いお話だと思いませんか?
なんか蓮子さんより、どっちかというと長者のお父さんの方がかわいそうなお話でしたね…(汗

れんこしず石碑(堂ヶ沢)_convert_20120417141403
水神様

そばには水神様が祀られています。
現在はお話に出てきた大きな杉の木は枯れてしまっているようでしたが、
隣に若い木がまた植えられているようです。

れんこしず全景(堂ヶ沢)_convert_20120417141940
れんこしず全景

母が小学校の頃は、堂ヶ沢の子たちは学校からの帰り道に
このしずによく寄り道をして、喉を潤していたそうです。

当時よりは湧水の量が減ってしまい、残念ながら現在飲用には適していないそうです。
ですが、昔語りの好きなじいさまやばあさまたちのお話が聞ける大事な学習の場であると思います。
山田小学校では郷土めぐりという行事をやっていて、僕も小さい頃に集落のじいさまから聞きましたよ!


それにしても、大昔から山田ではスポーツイベントが盛んだったんですね…。
今でも大運動会とか、盆野球とか、みんな一生懸命やってるし…。そういうところも魅力です。

また長文になってしまいすみませんでした!
往年の山田大運動会の長はしりで一等になったことのある、
湯沢市ジオパーク推進協議会事務局のふらっとでした!
プロフィール

湯沢市ジオパーク推進協議会事務局

Author:湯沢市ジオパーク推進協議会事務局
世界ジオパーク認定登録を目指して日々活動している「湯沢市ジオパーク推進協議会」事務局です。

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