湯沢市ジオパーク推進協議会は、秋田県湯沢市の「世界ジオパーク」認定登録に向けて、日々奮戦中です。
ゆざわジオパークのいろいろな情報や事務局の日々の感想をつづるブログです。

ゆざわの文化:小町伝承――小野小町は鹿の子どもだった?

2013-04-29

 こんにちは、湯沢市ジオパーク推進協議会事務局のかわべぇです。
 本日は、ゆざわに関する伝説についてお伝えしたいと思います。
 ずばり、小野小町に関する伝説の紹介です!
 当ブログでも、小野小町に関する記事を何度も扱っておりますが……湯沢市の小野地域には、小野小町の出生地であるという伝説が残されています。小町出生の伝承の残る地は多くありますが、それに付随する遺物・地名などが多く残されているのが、ゆざわの小町伝承の特徴です。
 小野小町が祀られている「小町堂」や晩年を過ごしたとされる「岩屋堂」、深草少将と小町の墳墓の地という伝説の残る「二つ森」など、さまざまなものを紹介してきました。
 今回ご紹介するのは、「小野小町は鹿の子どもである」という伝承です。
 まず、江戸の旅行家・菅江真澄の「小野のふるさと」を見てみましょう!

あやしきことながら、小町姫は鹿の生たる子也。其ゆへは、よしさねに、世になききよらなる女通ひける、そかはらみてうみ落してのち、鹿の形をあらはしたりともきゝ、……

菅江真澄「小野のふるさと」より

 菅江真澄も「あやし」と言っておりますが、なんとも不思議な話です。それにしても小野小町の母親が、なんと鹿だったとは……。ですが、この鹿、ただの鹿とも思えません。なにせ、小町を産むまでは人間の姿に化けていたのですから。
 さて、この鹿は一体何者なのでしょうか?
 「女性に化けた動物が家にやってきて……」、そんなお話、他にも聞いたことありませんか?

 たとえば、「鶴の恩返し」という昔話はそうですよね。助けた鶴が女の人に化けてやってくるという……。交渉文芸の研究において、人間とそれ以外の動物が結ばれる話を総称して「異類婚姻譚」と呼ぶことがあります。
 異類婚姻譚のなかには、もちろん女性のもとに動物が通ってくる物語もあります。一例として、能恵姫伝説が挙げられます。これもゆざわ(湯沢市岩崎等)を舞台にした伝説で、岩崎城主の娘・能恵姫のもとに蛇が通ってくる話です(詳細は当ブログのバックナンバー「~能恵姫物語~」「菅江真澄と歩く⑨ 「ごきげんよう、能恵姫様」」をご覧ください)。
 能恵姫物語においては、「姫のもとにやってきた蛇は、実は龍神であった」とされています。この話のように、異類婚姻譚の異類として、神様やそれに類するものが通ってくる場合が多いのです。良実のもとに通ってきた鹿も、神様のような存在だと考えることもできるのではないでしょうか?

 ゆざわの小町伝承のなかでは、通ってくる鹿の神聖性については触れられていません。ですが、「特別なもの」であるということは確かだと思います。仮にこの鹿が神様に類するものだと考えてみたとき、浮かび上がってくるのは神秘的な「小野小町」です。特別な出生は、小野小町が「普通」ではなく「特別」なんだ、ということを暗示している伝説と考えることもできそうです。
 そんな特別な存在として小野の人々に考えられていた小町だからこそ、今も小町堂で地域の人々に祀られているのかもしれません。

 そんなわけで、小野小町に関する少し不思議なお話を、事務局かわべぇがお送りいたしました!
 以下は、小野小町に関する記事のバックナンバーです!
「小野小町」
「桐木田の館跡と井戸」
「磯前神社」
「二つ森」
「向野寺」
「桐前寺」
「岩屋堂」
「熊野神社」
「小町堂」
「芍薬塚」
「小野小町――「美」への原点回帰を目指して」
「菅江真澄が見た小野小町、そして……」
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Author:湯沢市ジオパーク推進協議会事務局
世界ジオパーク認定登録を目指して日々活動している「湯沢市ジオパーク推進協議会」事務局です。

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