男鹿半島・大潟で東北初の日本ジオパーク全国大会!湯沢にも皆様いらっしゃいました!
2017-10-29
こんばんは。ゆっこです。
ほかの事務局員も書いておりますが、先週、男鹿半島・大潟ジオパークで、東北地方では初となる日本ジオパーク全国大会が開催されました!
この全国大会は、現在日本にある43のジオパーク、そしてジオパークを目指して活動している地域から関係者が集まり、情報交換や交流をする目的で開催されています。
今回で第8回目、毎年開催されています。
今回は東北で初めて、しかも秋田県で開催されるということで、ゆざわジオパークも微力ながら少しだけお手伝いをさせていただきました。
そのうちの一つが、エクスカーション!
エクスカーションとは、ツアーに近いのですが、ただ現地を回って説明を聞くだけではなく、説明を聞いた上でいろいろと話し合ったり、意見を交換したりするものです。
現地を見ながらの、意見交換会といった感じですかね。
そのエクスカーションのコースの一つに、ゆざわジオパークを入れてもらっていたのでした。
ゆざわジオパークのエクスカーションのテーマは、
『秘境の大地はあったかい? ~見えない火山を見つけにいこう~』でした。
ここでいう『見えない火山』は、学術的な用語ではなく、ゆざわジオパークでの造語です。
人によっては『見えない火山』と聞くと、海底火山をイメージする人がいるかもしれませんが、それとも違う使い方をしています。
ゆざわジオパークのある湯沢市内には、活火山に認定されている山は一つもありません。
なんとなーく街並みを見てみても、火山の活動を連想するような景色も、ほとんどありません。
でも実は、過去から現在まで、火山に関連する活動はずっと続いていて、よくよく周囲を見ていると、その痕跡や証拠が至る所に存在しているのです。
ゆざわジオパークでは、この『湯沢の至る所に隠れている火山に関連する活動の痕跡や証拠』のことを『見えない火山』の産物と称して紹介しているのです。
今回はその『見えない火山』を感じてもらおう、という趣旨でこのようなテーマを設定しました。
全国大会の閉会式が終わったのは、15時くらい。
そこからバスで湯沢市に移動してもらいました。
ちょっと遠いこともあり、その日は小安温泉郷に直行してもらい、ゆっくりと温泉を堪能していただきました。
さて次の日!
朝も早くから早速出発です!
まず最初に向かったのは、不動滝です。

写真ではちょっとわかりにくいかもしれませんが、この日は小安周辺の紅葉ピーク!
周囲の山々が紅葉しており、秋の湯沢らしい景色を見てもらうことができました。
さてさて、紅葉もいいですが、ちょっと足元にも注目してもらいましたよ。

皆さんが覗き込んでいるのが不動滝です。
右側が上流なのですが、不動滝の上流は谷になっていません。
が、ちょっと下流に行くとこんな感じです。

かなり深い渓谷!
道路から川底まで、大体60mあります。
なぜ、不動滝のところで渓谷が終わっているのか。。。その謎を明らかにするため、一行は渓谷の川底へ向かいます。
そこに待ち受けていたものは・・・!

岩壁から噴き出す温泉!
写真では湯気しか映っていませんが、勢いよく温泉が水平方向に噴き出しています。
この地域は、温泉郷と言われいるように温泉が豊富です。
そもそも温泉とは、雨水などがしみ込んだ地下水が、地面の中の熱源に温められたものです。
冷たい地下水はじわじわと地面の下を目指すのですが、それが温められると、今度は地表目指して地面の中を上昇し始めます。
それが地面に到達すると、自噴する温泉となるのです。
温泉は地面を目指して上昇するときに、通りやすいところを通って上がってきます。
石のなかの隙間や割れ目などですね。
大噴湯は、その温泉の通り道にたまたまできていた渓谷です。
ふつうは見ることができない、温泉の通り道がここでは見えているんですね。
でもこれがなぜ、不動滝のところで警告が終わっていることにつながるのでしょう。
ヒントは、大噴湯の周辺の石。
もともとは湖の底にたまった泥や砂や火山灰が固まってできた、比較的柔らかい岩石です。
でも、大噴湯の温泉が出ているあたりの岩石は、それよりもちょっと固くなっています。不動滝のあたりももとは比較的柔らかい石だったはずなのに、現在はもうカッチカチ。
何かが、柔らかかった石を固くしてしまったんですね。
その固くした犯人とは、温泉なんです。
温泉には、いろいろな成分が入っています。
その中に、長ーい時間をかけて石を固くする成分が入っていたんです。
不動滝のところは、渓谷ができる前から、温泉の影響で固くなっていたと考えられています。
渓谷は川の下流から上流に向かって、川の流れによってどんどん削られてできます。
不動滝に到着するまでは、比較的柔らかい岩石が相手ですので、結構順調に削ってきたはずです。
しかし、カッチカチの不動滝周辺に到達し、あまりの固さにその削る速度が急激に落ち、結果的に渓谷ができるほど削ることができなかった、と考えられています。
現在では温泉は噴出する場所が大噴湯に移り、今度は大噴湯周辺を少しずつ少しずつ、固くしているのでした。
さて、不動滝と大噴湯の謎を見てもらったあとは、少し休憩。
60mの上り下りは結構きついのです。

休憩場所にはお店があります。
休憩がてらいろいろとお買い物をしていただきました。

足湯もあります。
この地域の人は、昔からこの湧き出す温泉をうまく活用してきました。
お店には、そんな温泉を利用して作られた乾燥野菜なども売っており、多くの方がお土産に買っていってくださったようです。
休憩が終わり、次に向かったのは高原にできた湖沼群です。
火山噴火が活発に起こった大地、その大地は火山の噴火が収まったあと、どのように変化するのでしょうか。
いつまでも荒涼とした大地ではないですよね。
その謎のカギのひとつが、この湖沼群なのです。
湖沼群がある地域は、火山噴火が活発であり、その影響で大きなくぼ地ができたのではないかと言われています。
そのくぼ地の一番端っこは、かなり急な崖になります。
火山噴火が収まった後、その崖があるとき、大きな地滑りを起こします。
地滑りは土砂崩れとは少し違い、表面がガラガラと崩れるだけではなく、地面が丸ごとずるりと滑ります。
そういう風にくずれて川をせき止めたり、また地滑りによってできたくぼ地に水がたまったりしてできたのが、このあたりの湖沼群だといわれているのです。
湖や沼になると、火山噴火でできた大地とはまた違った植物や生き物が繁栄します。
火山でできた大地が次のステップに進んだのですね。
さらに今回ご案内したコケ沼は、その次のステップに進みつつある沼なのです。

奥に見える茶色い部分、実は水の上に浮いた水苔なのです。
沼や湖は、未来永劫水が溜まっているわけではなく、土砂や植物の死骸などが堆積することによって、次第に水深が浅くなっていきます。
水深がどんどん浅くなると、湿地になり、次第に草原になって地面になります。
このコケ沼は、その沼と言われなくなるようなちょうど過渡期にあるのです。
火山の噴火や断層のようなはでな変化ではないけれど、日々ゆっくりゆっくり変わっていく大地も見てもらったのでした。
ちょっと時間がありましたので、向かいの桁倉沼にも行きました。

ここからは、地滑りが起こったといわれている崖を見ることができます。
いまの穏やかな景色からはあまり想像ができないですが、大きな火山噴火が起き、そのずっとあとに大きな地滑りが起こった場所なんですね。
こんなことをかくと、ゆざわには本当に昔の火山活動の痕跡しかないのかと思われがちですが、ゆざわの火山活動はまだ次ぐいています。
その証拠の場所が、こちら。

川原毛地獄です。
地面から、火山性と考えられている噴気が勢いよく出ています。
ここにくると、湯沢の火山活動はやっぱり今もあるんだなーと実感します。
さてさて、見学地としては、これで終了。
皆様には、お昼ご飯をを食べていただくため、ジオスタ☆ゆざわに移動していただきました。

たべていただいたのは、こちら。

ジオパーク弁当!
湯沢の食材を使い、なおかつよくよく見たら湯沢のジオサイトに関連しているおかずがもりもり入っているお弁当です。
おいしいし、なにより解説を書いている紙が楽しい。
皆様からも、こう評価をいただいていたようです。よかった!
ジオスタ☆ゆざわを見学していただく時間が取れなかったことが心残りですが・・ぜひまた来ていただきたいと思います!
今回のゆざわエクスカーションでは、アンケートを通していろいろなご意見やアドバイスをいただきました。
準備不足の面もあり、至らない点もあったかと思います。
アンケートをよく読ませていただいて、今後の活動の糧とさせていただけたらと思っています。
ご参加いただいた皆様、本当にありがとうございました。
そして、今回案内してくださったガイドさん方には、打ち合わせを合わせて本当にお世話になりました。
やっぱり、ジオパーク活動を支えているのは、ガイドさんをはじめとする地域の皆さんです。
こういう、大きなイベントをすると本当にそう感じます。
そして、今回案内を担当しなかったガイドさんも、何とか皆様をおもてなししたい!ということで、最後湯沢駅に集まり、秋田空港、秋田駅へと帰っていく皆さんをお見送りしてくださったそうです。
たくさんの方に支えられて、無事に皆様をお送りすることができました。
本当に本当にありがとうございました。
全国の皆さん、またいつでも来てたんせ~!

ではなんだかとりとめもなくなってしまいましたが、この辺で。
ゆっこでした。
ほかの事務局員も書いておりますが、先週、男鹿半島・大潟ジオパークで、東北地方では初となる日本ジオパーク全国大会が開催されました!
この全国大会は、現在日本にある43のジオパーク、そしてジオパークを目指して活動している地域から関係者が集まり、情報交換や交流をする目的で開催されています。
今回で第8回目、毎年開催されています。
今回は東北で初めて、しかも秋田県で開催されるということで、ゆざわジオパークも微力ながら少しだけお手伝いをさせていただきました。
そのうちの一つが、エクスカーション!
エクスカーションとは、ツアーに近いのですが、ただ現地を回って説明を聞くだけではなく、説明を聞いた上でいろいろと話し合ったり、意見を交換したりするものです。
現地を見ながらの、意見交換会といった感じですかね。
そのエクスカーションのコースの一つに、ゆざわジオパークを入れてもらっていたのでした。
ゆざわジオパークのエクスカーションのテーマは、
『秘境の大地はあったかい? ~見えない火山を見つけにいこう~』でした。
ここでいう『見えない火山』は、学術的な用語ではなく、ゆざわジオパークでの造語です。
人によっては『見えない火山』と聞くと、海底火山をイメージする人がいるかもしれませんが、それとも違う使い方をしています。
ゆざわジオパークのある湯沢市内には、活火山に認定されている山は一つもありません。
なんとなーく街並みを見てみても、火山の活動を連想するような景色も、ほとんどありません。
でも実は、過去から現在まで、火山に関連する活動はずっと続いていて、よくよく周囲を見ていると、その痕跡や証拠が至る所に存在しているのです。
ゆざわジオパークでは、この『湯沢の至る所に隠れている火山に関連する活動の痕跡や証拠』のことを『見えない火山』の産物と称して紹介しているのです。
今回はその『見えない火山』を感じてもらおう、という趣旨でこのようなテーマを設定しました。
全国大会の閉会式が終わったのは、15時くらい。
そこからバスで湯沢市に移動してもらいました。
ちょっと遠いこともあり、その日は小安温泉郷に直行してもらい、ゆっくりと温泉を堪能していただきました。
さて次の日!
朝も早くから早速出発です!
まず最初に向かったのは、不動滝です。

写真ではちょっとわかりにくいかもしれませんが、この日は小安周辺の紅葉ピーク!
周囲の山々が紅葉しており、秋の湯沢らしい景色を見てもらうことができました。
さてさて、紅葉もいいですが、ちょっと足元にも注目してもらいましたよ。

皆さんが覗き込んでいるのが不動滝です。
右側が上流なのですが、不動滝の上流は谷になっていません。
が、ちょっと下流に行くとこんな感じです。

かなり深い渓谷!
道路から川底まで、大体60mあります。
なぜ、不動滝のところで渓谷が終わっているのか。。。その謎を明らかにするため、一行は渓谷の川底へ向かいます。
そこに待ち受けていたものは・・・!

岩壁から噴き出す温泉!
写真では湯気しか映っていませんが、勢いよく温泉が水平方向に噴き出しています。
この地域は、温泉郷と言われいるように温泉が豊富です。
そもそも温泉とは、雨水などがしみ込んだ地下水が、地面の中の熱源に温められたものです。
冷たい地下水はじわじわと地面の下を目指すのですが、それが温められると、今度は地表目指して地面の中を上昇し始めます。
それが地面に到達すると、自噴する温泉となるのです。
温泉は地面を目指して上昇するときに、通りやすいところを通って上がってきます。
石のなかの隙間や割れ目などですね。
大噴湯は、その温泉の通り道にたまたまできていた渓谷です。
ふつうは見ることができない、温泉の通り道がここでは見えているんですね。
でもこれがなぜ、不動滝のところで警告が終わっていることにつながるのでしょう。
ヒントは、大噴湯の周辺の石。
もともとは湖の底にたまった泥や砂や火山灰が固まってできた、比較的柔らかい岩石です。
でも、大噴湯の温泉が出ているあたりの岩石は、それよりもちょっと固くなっています。不動滝のあたりももとは比較的柔らかい石だったはずなのに、現在はもうカッチカチ。
何かが、柔らかかった石を固くしてしまったんですね。
その固くした犯人とは、温泉なんです。
温泉には、いろいろな成分が入っています。
その中に、長ーい時間をかけて石を固くする成分が入っていたんです。
不動滝のところは、渓谷ができる前から、温泉の影響で固くなっていたと考えられています。
渓谷は川の下流から上流に向かって、川の流れによってどんどん削られてできます。
不動滝に到着するまでは、比較的柔らかい岩石が相手ですので、結構順調に削ってきたはずです。
しかし、カッチカチの不動滝周辺に到達し、あまりの固さにその削る速度が急激に落ち、結果的に渓谷ができるほど削ることができなかった、と考えられています。
現在では温泉は噴出する場所が大噴湯に移り、今度は大噴湯周辺を少しずつ少しずつ、固くしているのでした。
さて、不動滝と大噴湯の謎を見てもらったあとは、少し休憩。
60mの上り下りは結構きついのです。

休憩場所にはお店があります。
休憩がてらいろいろとお買い物をしていただきました。

足湯もあります。
この地域の人は、昔からこの湧き出す温泉をうまく活用してきました。
お店には、そんな温泉を利用して作られた乾燥野菜なども売っており、多くの方がお土産に買っていってくださったようです。
休憩が終わり、次に向かったのは高原にできた湖沼群です。
火山噴火が活発に起こった大地、その大地は火山の噴火が収まったあと、どのように変化するのでしょうか。
いつまでも荒涼とした大地ではないですよね。
その謎のカギのひとつが、この湖沼群なのです。
湖沼群がある地域は、火山噴火が活発であり、その影響で大きなくぼ地ができたのではないかと言われています。
そのくぼ地の一番端っこは、かなり急な崖になります。
火山噴火が収まった後、その崖があるとき、大きな地滑りを起こします。
地滑りは土砂崩れとは少し違い、表面がガラガラと崩れるだけではなく、地面が丸ごとずるりと滑ります。
そういう風にくずれて川をせき止めたり、また地滑りによってできたくぼ地に水がたまったりしてできたのが、このあたりの湖沼群だといわれているのです。
湖や沼になると、火山噴火でできた大地とはまた違った植物や生き物が繁栄します。
火山でできた大地が次のステップに進んだのですね。
さらに今回ご案内したコケ沼は、その次のステップに進みつつある沼なのです。

奥に見える茶色い部分、実は水の上に浮いた水苔なのです。
沼や湖は、未来永劫水が溜まっているわけではなく、土砂や植物の死骸などが堆積することによって、次第に水深が浅くなっていきます。
水深がどんどん浅くなると、湿地になり、次第に草原になって地面になります。
このコケ沼は、その沼と言われなくなるようなちょうど過渡期にあるのです。
火山の噴火や断層のようなはでな変化ではないけれど、日々ゆっくりゆっくり変わっていく大地も見てもらったのでした。
ちょっと時間がありましたので、向かいの桁倉沼にも行きました。

ここからは、地滑りが起こったといわれている崖を見ることができます。
いまの穏やかな景色からはあまり想像ができないですが、大きな火山噴火が起き、そのずっとあとに大きな地滑りが起こった場所なんですね。
こんなことをかくと、ゆざわには本当に昔の火山活動の痕跡しかないのかと思われがちですが、ゆざわの火山活動はまだ次ぐいています。
その証拠の場所が、こちら。

川原毛地獄です。
地面から、火山性と考えられている噴気が勢いよく出ています。
ここにくると、湯沢の火山活動はやっぱり今もあるんだなーと実感します。
さてさて、見学地としては、これで終了。
皆様には、お昼ご飯をを食べていただくため、ジオスタ☆ゆざわに移動していただきました。

たべていただいたのは、こちら。

ジオパーク弁当!
湯沢の食材を使い、なおかつよくよく見たら湯沢のジオサイトに関連しているおかずがもりもり入っているお弁当です。
おいしいし、なにより解説を書いている紙が楽しい。
皆様からも、こう評価をいただいていたようです。よかった!
ジオスタ☆ゆざわを見学していただく時間が取れなかったことが心残りですが・・ぜひまた来ていただきたいと思います!
今回のゆざわエクスカーションでは、アンケートを通していろいろなご意見やアドバイスをいただきました。
準備不足の面もあり、至らない点もあったかと思います。
アンケートをよく読ませていただいて、今後の活動の糧とさせていただけたらと思っています。
ご参加いただいた皆様、本当にありがとうございました。
そして、今回案内してくださったガイドさん方には、打ち合わせを合わせて本当にお世話になりました。
やっぱり、ジオパーク活動を支えているのは、ガイドさんをはじめとする地域の皆さんです。
こういう、大きなイベントをすると本当にそう感じます。
そして、今回案内を担当しなかったガイドさんも、何とか皆様をおもてなししたい!ということで、最後湯沢駅に集まり、秋田空港、秋田駅へと帰っていく皆さんをお見送りしてくださったそうです。
たくさんの方に支えられて、無事に皆様をお送りすることができました。
本当に本当にありがとうございました。
全国の皆さん、またいつでも来てたんせ~!

ではなんだかとりとめもなくなってしまいましたが、この辺で。
ゆっこでした。