湯沢の風
2020-06-24
皆さん、こんにちは。
イトケンです。
ゆざわに来て1年が経ちましたが、普段から感じていることがあります。
「風、つええな・・・。」
生まれも育ちも海沿いの人間なので、風が強いのは慣れっこなのですが、
「内陸」のイメージからすると、ゆざわは風が強いように感じていました。
そこで、お馴染みの気象庁のデータを使って、ゆざわの風について調べてみました。
とは言っても、観測地点が2カ所しかないので、ゆざわ全体の傾向は反映していないかもしれませんが、
その点はご了承ください!
データは観測を開始した1976年11月15日から2020年6月15日の約44年を使用しました。

グラフ1:「湯沢」と「湯の岱」の風速のデータ。縦軸は相対度数(%)、横軸はそれぞれの風速を表しています。
このグラフの横軸表示は、例えば「2-3」であれば、「風速2メートル/秒以上、3メートル/秒未満」を意味しています。
これを見ると、個人的には風が強いと感じていた湯沢は、あまり強くないことがわかります。
・・・個人の感覚っていい加減ですね(汗)。
湯の岱はさらに平穏と言うか、風速1メートル/秒未満の割合が30%を超えています。
観測地点が木々に囲まれているのかもしれませんが、湯沢よりもさらに風が弱いことが多いのは意外ですね。
次に風向、風の向きについて見てみましょう。

グラフ2:「湯沢」の風向のデータ。16方位のうち、どの方位から風が吹いていたのか、その割合(%)を表しています。

グラフ2:「湯の岱」の風向のデータ。
これを見ると、少し違いはありますがどちらの地点でも「北西」と「南(南東)」からの風が多いことがわかります。
特に湯沢では南風が15%、南南東の風が10%を超えていますね。
他に北西の風が多いことがわかります。
これは冬の期間に、大陸から吹く冷たい季節風を反映しているためでしょう。
その風が日本海を渡るときに水(水蒸気)を含み、そして奥羽山脈にぶつかることで大雪が降るわけですね。
しかし、北西方向の風の割合はもう少し多いと思っていたのですが、南からの風の方が多いというのは意外でした。
ただ、北西の風とは違って、南からの風が多い原因はちょっとわかりませんでした・・・。
これが湯沢に特徴的なものなのか。そうではなく秋田県、さらには東北地方で一般的なものなのか・・・。
個人的にはちょっと気になるところです。
ちなみに少し話は逸れますが、こうした季節によって吹く風を調べているうちに思い出したことがありました。
それは「ハルマッタン(harmattan)」。
西アフリカのベナンに行っているときに経験しました。
だいたい12月から3月くらいに吹く季節風で、サハラ砂漠から多量の砂を運んできます・・・。
それは日本でいう「黄砂」のレベルではなく、本当に砂を含んだ風がやってくるのです。

写真1:ベナンの北部で撮った写真。太陽のまわりが茶色がかっています。
あまり良い写真ではないのですが、ハルマッタンが来ていた時期に撮った空の様子です。
黄砂の時期には空が黄色く見えることがあると思いますが、それよりもさらに茶色に見えることが多かったです。
しかも本当に景色が霞みます・・・。

写真2:後輩隊員の活動を見学した際の写真。奥の景色が霞んでいます。
次の写真をご覧ください。特に右奥のビルがかなり霞んでいるのがわかると思います。
普段はもっとはっきり見えるのですが、サハラ砂漠からの砂のせいで霞んでいます。
ちなみにこの写真は、後輩隊員(秋田県出身)が地元の学校で体育のテストをしている様子です。
あまりに砂が多いので、喉が痛くなったり、目が痛くなったりすることもあります。
あと掃除する気力が失せます・・・。掃除しても掃除しても砂が来るので・・・。
とまあ、風つながりで思い出したことを書いてみました。
何気なく吹いている風も調べてみると面白い発見があるかもしれませんね。
ではでは。
イトケン